仏壇というと、「祖父母の家や実家にあるたいそうなもの」というイメージが強いかもしれません。ですが今は、昔ながらの伝統的な仏壇からマンション向けの小型仏壇まで、ニーズは多様化しています。今回の相談者・麻子さんは、これまで自分が仏壇を買うことになるなんて思ってもいなかったそうですが、親の死を前に考えが変わってきたと言います。話を聞いてみましょう。

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親の要介護度認定の結果に納得できない!そんなときは結果を覆せる?結果によって何が変わる?>>

 


母を身近に感じるために仏壇を置くという選択


75歳になる母は、末期がんに冒され余命わずかと宣告されています。もともとパワフルな人で、あと10年は何事もなく生き続けられると思っていましたが、今や2人に1人ががんになる時代。運命には逆らえなかったようです。知った時は家族で泣き崩れましたが、今はようやく「どう穏やかに最期を迎えるか」というモードにシフトしています。

それと同時に、母の最期が見えてきたからでしょうか。漠然と、母亡き後もあのポジティブなパワーを身近に感じていたいと思うようになりました。形見の品を身に着けるか、それとも頻繁にお墓参りに行って近況を報告するか、などいろいろ考えていましたが、最近自宅に仏壇を置くのもありかもしれないと思い始めました。

というのも、先日大学時代の友人の家に行ったところ、モダンな仏壇を見つけたんです。なんでもお義母さんに、「うちは代々ご先祖様を大事にしてきたから、新居に仏壇を置くのは絶対条件」と言い切られ、仏壇を置かざるを得ない状況になってしまったのだとか。ただ、友人の家はマンションなので、当然仏間もありません。

そこであらゆる仏壇を吟味した結果、理想の仏壇を見つけたそうです。それは高さ40cmほどのコンパクトなタイプで、ひと目見ただけでは仏壇とはわかりません。「よくこんないいものを見つけたね」と友人に伝えたところ、彼女は義母から「大きい仏壇は家を繁栄させると言われているのに、こんな小さなタイプにして……」と嫌味を言われたそうです。

するとその場にいた別の友人が、「うちの実家にも先祖代々の仏壇があって、結構な大きさなんだよね。でも母が亡くなったことを機にその仏壇を引き取ることになっちゃって」と話し始めました。彼女は祖父母からも良くしてもらった思い出があるので仏壇を引き取ることにしたそうですが、なにせ大きすぎて「圧迫感がものすごい」と困っています。とはいえ、買い替えるほどのものでも……と迷っているのだとか。

私もせっかく仏壇を置いて母を偲ぼうと思ったのに、そもそも小さい仏壇にすることは悪いことなのかと心配になってきました。仏壇に関して作法や決まりごとなどがあれば教えていただけますか?

 
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