小さい仏壇への買い替えはOK?
麻子さんのご友人のお義母様が話しているように、確かに以前は「仏壇の大きさが家の繁栄に影響する」と言われている時期や地域もありました。ただ、今は価値観も変わり、影響はないという考え方が一般的です。昔に比べて住宅環境も変化していることから、仏壇を買い替えること自体は問題ありません。
仏壇は、ひと昔前に比べて随分と種類も増えてきました。サイズは小さいもので高さ30cmほどのもの、大きいものは人の背丈ほどの170cm近いものまでと幅広く選べます。デザインも和風一辺倒ではなく、洋風のものも展開されるなど、凝ったデザインのものも増えてきました。今は仏間がある家の方が珍しいので、設置場所の雰囲気に合わせても問題はないとされています。
国内最大級の仏壇ポータルサイト「いい仏壇」を運営する鎌倉新書が行った「仏壇 購入実態調査2018」によると、実際に購入した仏壇の種類は1位が「上置き型のミニ仏壇」37.0%、次いで「台付きの家具調・モダン仏壇」35.3%となっています。
1位の「上置き型のミニ仏壇」は、麻子さんの友人宅にもあった家具の上に置けるコンパクトなタイプ。リビングや寝室など、場所を選ばず設置ができると人気を集めています。2位の「台付きの家具調・モダン仏壇」は、台が付いた昔ながらのタイプでありながら、デザインはモダンで洋室にも違和感なく溶け込みます。これらの仏壇はカラーやサイズ展開も豊富で、いわゆる“ザ・仏壇”のイメージを覆すものばかり。なお、同調査によると、仏壇の平均購入価格は33.6万円となっています。
買い替える際の主な流れ
仏壇をもし大きいタイプから小さいタイプに買い替えるようであれば、置き場だけでなく既存の本尊や位牌の大きさも測ってください。核となる大切なものを収められなかったら元も子もありません。
また、古い仏壇は、購入時に相談すると格安で引き取っていただけるので確認してみてください。新たに仏壇を購入する際は、納入予定日までにお寺に閉眼供養を依頼することもお忘れなく。
【仏壇を買い替える際の流れ】 ①新たな設置場所の高さ・幅・奥行きを計測
②仏壇を購入
③納入予定日までに閉眼供養(早めにお寺に依頼する)
④仏壇が納入
⑤開眼供養(お寺に依頼する)
仏壇が2つある場合はどうする?
今回の麻子さんのケースとは異なりますが、夫側、妻側の仏壇を互いに引き継がなければならない事情があるご家庭もあるかと思います。そうなったときに、仏壇は2つ置いても良いのか、そもそも置き場がない、といった心配事も出てくるでしょう。では、仏壇に関する決まりはあるのでしょうか。
基本的に、1つの家に仏壇が2つあるのは好ましくないと言われています。宗派が違う、先祖が安らかにいられないとの理由からですが、どうしても置かなければならない場合は下記の2つの方法を参考にしてください。
・別の部屋に置く
・同部屋の場合は東向きに置く
他にも、仏壇を1つにする方法もあります。
・同宗派の場合は1つ残して、使わなくなった方は魂抜き、性根抜きをお寺に依頼する
・異宗派の場合は夫の宗派を引き継ぐ(婿養子の場合は妻の宗派)。使わなくなった方は魂抜き、性根抜きをお寺に依頼する
これらは家族だけの問題ではないので、折り合いがつかない場合は一定の期間供養してもらったあと、位牌のお焚き上げ→永代供養というのも1つの選択です。
洋服と同じように仏壇にもセール時期が
実は仏壇にもセールの時期があり、3月と9月のお彼岸時期やお盆、年末年始は少しお得に購入できるということをご存知ですか?
たとえば、お盆前後の7月~8月は、新盆用に一式購入したり細かな仏具を購入する人が増えるので、セールが活発に行われるというわけです。年末年始は他の販売物と同様に、年末年始セールへの便乗や心機一転の意味合いが強いかもしれません。
今はちょうどお盆前後のセール時期。現代的なデザインのものも多く出ているので、これを機に仏壇を購入、というのもありかもしれません。
構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
イラスト/Sumi
編集/佐野倫子
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