不安でも! やり方がわからなくても! やる!


フリーランスのライターといえば、出版社や編集プロダクションで編集者として働いていたり、新聞社などで記者として働いていた人が独立する、というのが一般的なルートです。ところが筆者はそもそも経験ゼロ。いきなりライターになったので、取材のやり方なんて誰も教えてくれません。最初の頃はとにかく、不安でも! やり方がわからなくても! やる! 本当にそれだけでした。いや、荒行にもほどがある。とにかく話を聞いて、原稿を書き上げる。その繰り返しでした。写真を撮ったこともないけど、撮ることもありました。今思うと本当それでよくできたなーと思います。

よく、編集・ライター養成講座というのがありますよね。そこに行ったらイロハを教えてくれるのかもしれませんが、その講座を受けてもライターになれるわけではないだろうと思ったし、そもそもそんなお金はないのです。実際、同業者に聞くと、もちろん出版社・新聞社からの独立組もいますが、独学組もかなり多い印象です。逆に、講座を受けてライターになったという人には会ったことがありません(筆者の周りだけかもしれませんが)。無謀すぎる筆者のやり方ですが、意外とそういう人も多いんです。

 

「育てる」視点を持った編集者の存在が心の支えに


フリーランスは基本、教えてもらったり育ててもらうというのはなかなか難しく、ある程度スキルがある状態でスタートする感じです。育ててもらえないのは当然だ、なんていう人もいますが、業界全体が発展していくためにはフリーランスだろうが人を育てる土壌は必要だと思います。育てる体力がなくて人材が育たなくて、みたいな悪循環になっていると感じます。

とはいえ、現実はとにかくやるしかないので、ひたすら、誰にも教えてもらえなくてもやり続けていました。しかし、そんな中で「育てる」という意識のある編集者に出会います。基本、編集者とのやり取りは、納品や記事の修正のみという簡素なものです。しかし、その編集者はとても多忙な方でしたが、月1でミーティングをしてくれ、フィードバックをくれました。ライターとしてやっていくために様々なアドバイスをしてくれました。

その後異動があり、一緒に仕事はできなくなってしまいましたが、この出会いを通して、スキルを学んだというより、まず気にかけてくれる存在に出会ったという事実が筆者を支えてくれたように思います。

ちなみに、前回の記事では「noteでバズっても、実質的には仕事に繋がらなかった」と書きました。確かに、仕事には繋がりませんでしたが、たくさんの出会いをもたらしてくれました。ある作家さんが、「あのnote読んだよ」と連絡をくれ、その後もお付き合いする仲になったり、noteを読んでくださったいろんな方とその後お仕事する機会に恵まれたり、本を出版したときに買ってくれたり。

振り返って思いますが、実際スキルアップや仕事に繋がらないことでも、人との縁には繋がったということはあります。仕事をしていくには、一見すぐには役に立たないことも大事だったりするのです。