必殺技は「君には無理だよ、やめときなよ」


ドリクラは、最初、「え? 君、新人? ライター目指してるの? 相談に乗るよ☆」という感じで、「頼れる先輩」風に現れます。しかし、気が付いたら相談に乗ってもらうはずが、苦労話に見せかけた自慢話や、人生の教訓に見せかけた自慢話や、ためになりそうな世渡り術に見せかけた自慢話や、ちょっと面白い話に見せかけた自慢話や、自慢話や自慢話――を聞かされます。

そして、相当な時間が過ぎ去ったあと、ふと気づくのです。「あの人、何がしたかったんだろう」って。それだけだとまだ無害かもしれません。しかし、膨大な「自分史」を聞かされたあと、ドリクラはこう言うのです。「君には無理だよ、やめときなよ」って。

「君には無理、やめときなよ」。新人の夢を潰す“ドリームクラッシャー”を呼び寄せたのは、プロフの「ある文言」だった_img0
 

ちなみに、「私の記事読んだことあるんですか?」と聞き返したことがあります。すると、「いや、ないけど。でも芽が出ないならやめなよ」と返ってきました。ホラーです。そう、苦労話や人生の教訓やためになりそうな世渡り術に見せかけた自慢話をするだけではなく、夢を潰すようなことまで言う、までがセットなのです。それがドリームクラッシャー、ドリクラたる所以なのです。

 

“ドリクラホイホイ”にならないために


ドリクラは、このギョウカイについて知りたい! 教えて先輩! という初々しくて話をありがたく聞いてくれそうな若い人を常に探しています。そして膨大な身の上話をした上で、ご丁寧に新人のやる気を萎えさせるのです(そのつもりがあるかは謎ですが)。駆け出し、なんて言ってる頃は、本当に何人ものドリクラと遭遇しました。“ドリクラホイホイ”でした。

だから、別にプロフィール写真が爽やかに微笑んだベンチャー企業の広報っぽい写真でなくても、一目で経歴が分かるコンパクトなプロフィール文なんかじゃなくてもいいのです。ただ、「志望」「駆け出し」なんて書きさえしなければ。

目指す方向によるでしょうし、ちょっと極端なことを言いましたが、実際好きな作家やライターの方ってプロフィール超自由なんですよね。あとかなり主観ですが、いい文章書く方って意外とプロフィール文が超簡素で主張がなかったりする……。

と、最後はもはやドリクラへの注意喚起になってしまいましたが、ここらでライターになるまでの話を終えたいと思います。その後訪れた超絶ハードな兼業生活の話は、長くなりそうなのでまた今度!
 


イラスト/Sumi
文/ヒオカ
構成/金澤英恵
 

「君には無理、やめときなよ」。新人の夢を潰す“ドリームクラッシャー”を呼び寄せたのは、プロフの「ある文言」だった_img1
 

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