「私、HSPなんです」繊細な同僚がちょっと疎ましい...そんな私は性格が悪い？

とはいえ、ヒカリさん一人がこの重責を負う必要はありません。

「適切な対応を考えないといけないから、ヒカリさんがHSPであることを上司だけには伝えてもいいかな」

同僚さんに承諾を得た上で、上司の方に相談するのがよいのではないでしょうか。業務分担や働き方の調整などは、会社の人事的手当てをできる人でないと対応できません。しかるべき人に相談するのが一番大切です。もちろんこれは、「同僚の方がそれを望むのであれば」ですが。

イメージで他人を語らず、基礎知識をつける

「繊細な人のことを最近はそう呼ぶんですね。ただ『気が弱い人』と何が違うのか私にはよく分かりません。」

ヒカリさんは心の準備なくいきなりカミングアウトされてしまったので、びっくりされましたよね。HSPのような人の気質をあらわす言葉や、最近ですとLGBTQにまつわる言葉など、人の多様性を表現する言葉は年々増加しているような印象です。「え、そんな分野も存在したの？」と驚く場面も多いですよね。

知らない言葉・知らない概念にぶつかったとき、人はつい身構えてしまうもの。HSPだけでなく、ADHD（注意欠陥・多動性障害）、アセクシャル（無性愛者）など……。

人間の性質をあらわす言葉は、なかなか短い言葉だけでは定義しにくいケースが多いです。原則はこうだけど、こういう例外もあって、レベルも人それぞれで……という具合。分かりやすい言葉で説明する書籍もたくさん出版されていますし、（信用できる情報か確認する必要がありますが）インターネット上にもいろいろな情報が出ています。周囲にそういう人がいる、または自分自身が「もしかして？」と思った場合など、ぜひ調べてみてください。きちんと「知る」だけでも、心持ちはかなり変わると思います。

一緒に働く人、同じ場所で過ごす人が、どんな人なのか。それをきちんと理解しようとする姿勢が、よりよい職場環境、ひいてはよりよい社会に繋がっていくのだと信じています。

〔ミモレ編集室〕は、ミモレのオフィシャルコミュニティです。「好きを伝え、つなぎ、つながる」をキャッチフレーズに、〔ミモレ編集室〕メンバーの一人一人がこれまでに培ってきた美意識や好きなこと、最近気になっていることなどを自由にシェアし、繋がる場です。

前回記事「「休日はゴロゴロして夕方に...」こんなに自堕落でいい？45歳女性の悩み」はこちら＞＞