全ては縁、いただいた仕事はやってみたい


大江:今もマネージャーさんに1回引っ張り出してくださいと言っています。引っ張ってみて、駄目だったらしまえばいいじゃない。だから僕自身はこうやりたい、ああでありたいっていうのはないんです。演歌というのを広めていきたいというのが大きな夢なんです。もっともっと若い方に演歌っていうのを届けたい。僕のデビューした当時は、商業施設でキャンペーンで歌うっていうのを結構やったんです。学生さんが座ってくれていました。制服姿で来てくださってる。もう一度ああいういう姿を見てみたいなと思いますね。

「自分では引き出しを見つけられないんです」演歌歌手・大江裕が「水ダウ」に出演した理由とは_img2

廊下には数々の演歌歌手のポスターが並んでいました

──演歌一筋なのは、最初にテレビに出演した16歳の時から変わっていないですね。

大江:変わってないです。そこはもうまっすぐです。バラエティー番組に何で出るのかというと、自分を売り出すんじゃなくて、演歌というのを知ってもらえればいいなという、それだけですね。自分の名前を売っても仕方ないです。番組を見た方に大江裕って誰なんだろう、何をしているんだろうということを思ってくださるのが一番なんですよ。だから何でも仕事やらせてくださいとマネージャーさんにも言ってます。

──最近では俳優にも挑戦されていますけど、それも演歌を知ってもらうきっかけになって欲しいという思いからですか?

大江:マネージャーさんからこういうお仕事が来てますけどやりますかって言われて、一瞬止まるんです。でも、いただいたことは、やっぱりやってみたいですね。人生の中で無駄なことは絶対ないですから。全部縁で来てますから。だからお声をいただくっていうことは、何かの意味があるんだなと思うんです。でもめちゃくちゃなことはしないですよ。演歌をけなすようなことはやっぱりしないです。演歌あっての大江裕なんです。

 

──昨年放送され、大きな話題となった『水曜日のダウンタウン』の「大江裕なら裏の顔がどんなにヤバくても、さほど違和感なく受け入れちゃう説」※は相当無茶ぶりだったと思うんですけど、その依頼が来たときはどういう心境でしたか?

大江:「縁と出会いが大切」っていう話をしましたが、『水曜日のダウンタウン』のディレクターが『からくりTV』のADだった人なんです。だからその人のために頑張ったんです。本当はお世話になった人への恩返しだった。自分のために頑張ってないです。

※大江さんがドッキリの仕掛け人として、休憩を挟むと記憶をなくす、マネージャーをどすの効いた関西弁で恫喝する、海鮮丼を手で食べる、歌い終わるとすぐさまペットボトルを一気飲みするなど、常軌を逸した“ヤバい人”を熱演。迫真の演技に視聴者が騒然。大きな話題を呼んだ。

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