ミモレ読者の代表として〔ミモレ編集室〕メンバーが綴る「私にとってのミモレ」。
今回はメンバーのゆみさんのエッセイをご紹介します。

 

おばさんになったら、心の中は凪のように穏やかでもう多少のことでは心が乱されない地に足のついた大人になっているだろう、20代前半の私はそんな想像をしていました。当時は女性の年齢をクリスマスケーキに例えて24歳が一番需要があり、26歳になった途端安売りをしないと売れなくなる、なんて今なら大炎上すること必至な事を皆が結構普通に言っていたような時代でした。しかも地方在住なので、年齢による差別は色濃く、若さこそが正義で歳を経た女性は悪のように思わされて来ました。そのせいで、いつも時間に追われている気がしていました。


私は三人姉妹の長女で、とても厳しく育てられました。母は考えが旧態依然とした人で、結婚は20代前半で、と言い聞かせられていました。いわゆる良い子だった私はその言いつけを守り大学卒業後24歳で婚約・25歳で結婚しました。それまでの恋愛は「好き」だからというより、その人が結婚にふさわしい相手かどうかで相手を決めているような節がありました。とにかく世間に出遅れない事、それが一番の関心事でした。


あれから30年、私は50代になりました。
今思うと、私は自分がどうありたいのか、ではなく他人に後ろ指を指されないよう、母に心配をかけないよう、そればかりを追求してきた半生でした。そしてそうしていれば凪のように穏やかであろう、と想像していた心模様は、どうしたことかいまだに台風が吹き荒れたり真夏のひまわりが咲き乱れたり、忙しくて全然凪いでなんかいません。おかしいぞ! こんなはずじゃなかった! どうしたら落ち着いた普通のおばさんになれるの? 正直いつも忸怩たる思いを抱えていました。


そんな私がふとしたきっかけで知ったミモレ。人生後半に入り失うことばかりと思い込んでいた私に、更年期の心の持ちようやお洒落のヒントをくれ、時には寄り添い時には活を入れてくれます。そしてなんだかここでは誰も時間に追われておらず、人生を楽しんでいるように感じます。この年齢だからこそわかるネガティヴな問題(介護や闘病など)も取り上げられ、そういった話題にも皆何かしらの問題を抱えながら希望や明るさを忘れず頑張っているんだ、と励まされます。


お陰でなんだか心が楽になった気がするのです。もう年齢の縛りに追いかけられることもありません。過去の私に「普通のおばさんとはなんぞや? 私はこのままでOK!」と言ってあげたい。
そう、おばさんとは心がガチガチに不自由な人のことではないでしょうか? だったら私はたとえ90歳になってもおばさんにはならないぞ。(いや、そこはさすがにおばあさんか?)ならなくて大丈夫! 私にそう教えてくれた友人ミモレ、ありがとう!
お陰で人生の後半をもっと輝かせたいと思うようになりました。自分の行動に制限をかけることなく、自由な心で、これからもミモレで心の潤いを保って生きて行きたいものです。

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ゆみさん

美しい景色や建造物からアクセサリーや洋服まで、なんでも心ときめくモノやコトを探すのが大好き! 子育てが終わりこれからは自分の心を潤わせるべくアンテナを張っています。

 

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