相手を脅すための「離婚」の二文字は、絶対に使わない

「中田敦彦の妻」という脇役から脱することできたのも、夫のおかげ。福田萌さんが語る、夫との心地よい関係_img0

 

――中田さんは藤森さんと18年間コンビを組まれる中で、擬似夫婦のような経験をしているということですね。

福田 擬似夫婦! まさにそうですね。あとは、私の父の影響もあるでしょうか。父は私が中学生の頃から病を患っていて、10年近く闘病していました。父が亡くなったのは私が23歳の時です。人の命って、普段は「永遠にあるもの」のように感じているけれど、健康で元気に過ごせる時間、ましてや一緒にいられる時間には限りがあるんだと痛感しました。私も自分の命を永遠のものだと思わないように、周りの人やものを大事にしたいですし、夫との関係性も何か「簡単に切り離してはいけないもの」だと考えていたります。

――そういえば、本の中では大変だった経験もたくさん綴られていらっしゃいますが、「離婚」という文字がないに等しいことに、読んでいて気づきました。

福田 離婚という言葉を安直に使わない。これは、実は夫婦の決めごとでもあります。結婚当初はよく大喧嘩をして、「もう別れるしかない!」「離婚だ!」みたいなことを言われたこともありました。でも、そう言われて私がすごく傷ついて落ち込んだときがあって。その姿を見た夫が、「離婚する・別れるという言葉は相手に対する“脅し”以外の何物でもない。あなたの人生を奪ってしまうような重い言葉だとわかった。安易に使うべきじゃなかった」と謝られました。もちろん今でも口喧嘩はしますが、喧嘩に勝つ切り札として「離婚」の二文字を使うことはお互いにないです。

 

「目標は?」「どうなりたいの?」夫からの問いかけ


――福田さんが中田さんと夫婦になって、改めて気づかされたことはありますか。

「中田敦彦の妻」という脇役から脱することできたのも、夫のおかげ。福田萌さんが語る、夫との心地よい関係_img1

 

福田 夫は目標達成型で、「こうなりたい!」と思うと一直線に突き進んでいくタイプ。なので、私にも「目標は?」「どうなりたいの?」といつも質問を投げかけてきました。私は子育てに忙しくて、「自分の先のビジョンなんて考えられないよ!」とその質問を鬱陶しく思っていたんですが、「子育てが忙しくて目標がわからないなら、子育てをもっと楽にする方法を探ればいいんじゃない?」と言われまして。

――それは中田さんが家事育児を手伝う、という選択ではなくて、また別の方法でということですか?

福田 日本にいる時に比べて夫も子育てに参加してくれていますが、家事はダメですね(笑)。YouTubeでカジサックさんが毎日お皿洗いをしているのを見て、「俺もやる!」と1日目、2日目は張り切ってやってくれたんです。でも、3日目にシンクを見たら洗い物がそのままで。「あれ、お皿洗いは?」って聞いたら、「やめた。向いてない」と一言。「こっちは向いてる・向いてないでやってないんですけど!」って内心苛立ちましたけど、夫は「これは自分のやるべきことじゃない」と思ったらもう絶対にやらないタイプなので、仕方ありません(笑)。ただ、例えば家事代行サービスなど、「外の力を借りる」ことにはまったく文句を言わない人なので、その点は助かっています。もちろん、「お金がかかっちゃうな」という私自身の葛藤はあるのですが……。