復活サマンサがタクシーの中で粋な計らい
後半戦もかつてのSATCの懐かしさを感じつつ、期待との反動か、すっきりしない部分も集中しています。その1つがサマンサ(キム・キャトラル)の登場です。予告から盛り上げるだけ盛り上げ、引っ張るだけ引っ張り、今シーズン最終話の第11話「最後の晩餐part2」でついにサマンサが復活するわけですが、その活かし方に不満が残ります。
結局、大人の事情で、再び4人が並んで歩く姿もテーブルを挟んで向かい合う姿も、キャリーの部屋に集まる姿もお預けのまま。タクシーの中からキャリーに電話するサマンサが粋な計らいをしたことだけが唯一の救いです。キャリーのアパートメントに敬意を払ったその行為は、サバサバ系のようで実は温情がある姐さんらしさが伝わってくるもので、余計に懐かしさが募ります。
そして、モヤモヤを残したのはエイダンとの復活愛もしかり。サマンサと比べれば、期待以上にエピソードを重ねますが、バレンタインの再会デート以上に夢中にさせるシーンが続かなかったのが残念です。
ヴァージニアに住む息子の問題を抱えるエイダンにキャリーがどう向き合っているのか、エイダンの赤レンガの家を実際にキャリーはどう見たのか、本来は重要であるはずのシーンがすっぽり欠けているからです。エイダンとの愛に走るキャリーが「ビッグは大きな間違いだったのか?」とミランダに尋ねる台詞も聞き間違えかと思ってしまうほど、掘り下げずにあっさりと進んでいきます。
SATCファンであればあるほど、つい期待し過ぎてしまうわけですが、キャリーが最終話で手放したいものを友人たちと語り合った時、まさに挙げた言葉が「期待」でした。それは執着から解放されたいものを表していると思いますが、キャリーも結局、手放しきれずに迷っています。私たちもSATC新章を見ることの選択を簡単には辞めることができませんから、次のシーズンでキャリーの物語の続きを確認することをやっぱり期待してしまいます。
構成/山崎 恵
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