自分を好きになることは無条件では成しえない


ーー自分を好きになるために、ロッキーのテーマソングが聞こえてくるぐらい、いろいろされたと聞いたんですけど、髪型を変える以外にどんな努力をされたんですか。

坂口:見た目のことで言ったら、敏感肌なので、化粧水や乳液、メイク落とし、石鹸、シャンプーなどとにかく全部の化粧品を、デパコスからプチプラまでいろいろ試しました。値段設定も大事で、全部高いラインで揃えたらいいわけでもなく、やっぱり自分の生活水準とのバランスを考える必要がある。ここはお金かけようかなっていうのと、ここは別にいいなっていう、そのバランスも込みで、30代になってからやっと理想を見つけたって感じ。ずっとロッキーですね。

あとは、どうやって生きていったらいいのかを考え続けることです。TVドラマとかバラエティー番組のほか、小説、雑誌、そういうものを貪るように読みました。「この気持ちは果たして持っていていいものなのか、間違った気持ちなんじゃないか、人に言ったら嫌われるんじゃないか」って心配になる時がずっとあったんです。普通とか、一般常識、世間一般っていう概念があったとすると、そこから外れているんじゃないのか。そういうことが気になっていました。でもそういう自分の気持ち、考え方とかシチュエーションを描いてくれる作品や文章に出会った時に、自分だけじゃないんだなって、ものすごく安心できたんです。その読み漁る時期で、「こうやって人に接したいな」とか、「人とコミュニケーションをとる時にこういう言葉を使いたいな」と思う指針もできました。一生ずっとやっていかなきゃいけない修行、楽しい修行です。

「容姿のコンプレックスだらけだった」坂口涼太郎が違いこそ宝物だと気づいた理由<坂口涼太郎さんインタビュー第1回>_img0

 

ーーメイクがとっても素敵ですが、いつから始めたんですか?

 

坂口:まだ始めて1ヵ月なんです。ドラマ「18/40〜ふたりなら夢も恋も〜」(TBS)の撮影が始まるちょっと前からですかね。SHIROというブランドのマスカラの広告を見て、「これやりたい」と思って、買ったのがきっかけです。今、コスメに沼ってます。舞台で自分でメイクするとかはそれまでもあったんですけど、日常でラインを引くとか、色を入れるとかはなかったんです。でもやってみたら、何で今までやってなかったんだろうっていうぐらい、なんか楽しいなって。