デイサービス「金のまり」の奇跡

歩行困難だった100歳がジャンプできるように!? いつまでも自分の足で歩くために大事なのは足の親指だった!<br />_img0
写真:Shutterstock

2017年に『50歳からは「筋トレ」してはいけない 何歳でも動けるからだをつくる「骨呼吸エクササイズ」』(講談社+α新書) という多少センセーショナルなタイトルの本を出しました。

 

出版して間もなく、東京・練馬区でデイサービス「金のまり」を運営しているオーナー夫妻が私が主宰する湧氣塾に入塾してきました。

もともとオーナーのご両親が要介護になった際に、安心して預けられる施設がなかったので自分たちで開いた施設ですが、開設から10数年たち、オーナーのご主人は自身の仕事を辞め、本気で一から勉強して理想に近い介護施設を創ろうと苦労されてきたそうです。

そんなオーナー夫妻にとり、近年の最大の問題は、高齢の利用者さんたちの歩行能力を何とか回復、改善できないかということでした。いままで理学療法士やスポーツトレーナーと契約して歩行能力回復のリハビリを試みてはいたものの、期待した効果が出ずに悩んでいたところ、たまたま私の書いた本を読み、効果があるのか、まずは自分たちで実践してみようとお二人で入塾されたのです。

その後、私たちは金のまりの利用者さんの歩行回復プロジェクトに全面的に協力することになり、私の開発した「骨と呼吸の勇﨑メソッド」で体操をしてもらうことになりました。

体操嫌いの高齢者たちは、はじめは体操と聞いただけで嫌悪感をむき出しにしていましたが、1ヵ月、2ヵ月と成果が明らかに出るに従い、だんだん受け入れるようになりました。なにしろ体調が目に見えて改善されていくのです。

そこでのポイントも足の指の骨の強化です。そのために私の開発した直径5センチの山桜で作った木の球(湧氣球と名付けました) に乗る訓練をしてもらいました。そうして半年後には、当初は歩行がままならなかった80歳から100歳(当時最高年齢の方が100歳だったのです) の利用者たちが奇跡のようにジャンプできるようになったのです。