Gジャンやボーダーカットソーなど、若い頃は気負わず着れていた馴染みのあるカジュアルアイテムが、そのまま着るとなんだか生活感が出てしまう……。そんな風に悩まれている方も多いのではないでしょうか? そこで今回はカジュアルなスタイリングもきれいめなスタイリングも両方お得意なスタイリスト山本香織さんに、大人がカジュアルアイテムをきれいめに着るためのヒントとなるスタイリング提案を依頼しました。

着ていただくのはモデルの高山都さん。カジュアル好きな高山さんも40代を迎え、どうやって好きなアイテムを年代に合わせた形で着ることが増えたのか、カジュアルアイテムの取り入れ方のさじ加減をお二人に考えていただきました。

第1回目のお題は「ミリタリージャケット」。大人が素敵に着るための着こなしのコツや小物使いについて教えてもらいます。

40代にはカジュアルすぎる、ミリタリージャケット×デニム合わせ。
小物で女らしさを盛るときれいめに

 
 

ジャケット¥41800/ハイク(ボウルズ) Tシャツ¥12100/オブラダ(シンチ) パ
ンツ¥57200/チマラ(チマラ デザイン) ネックレス[大粒]※一連を二連として使
用¥77000、[小粒]¥36300/ともにカドー(カドー六本木ヒルズ店) ブレスレット¥29700/ローラ ロンバルディ(八木通商) ピアス¥110000/ノグチ(ノグチ) バッグ
¥49500/エーディーエムジェイ(アクセソワドゥマドモワゼル) 靴¥59400/ペリ
ーコ(アマン)

高山さん:私、ミリタリージャケットって大好きなんだ。トレンドによってサイズ感はそのときどきで変えているけど、昔からずっと着ているアイテムのひとつ。今日着たHYKEのジャケットと同じものを今年の春に買ったんだけど、きれいめなスタイルの日の外しアイテムとしてすごく使いやすくて。ただやっぱりこのジャケットにスウェットやスニーカーといったカジュアルなアイテム同士でまとめると、なんだか20代からスタイルが全然更新できてない感じがしてしまうんだよね。


山本さん:ミリタリージャケットにデニムの定番コーデを40代がきれいめに着るって、案外難しいよね。今回着てもらったコーディネートみたいに、やっぱりヒールやパールのような相反するアイテムを合わせると大人が着てもしっくりくるんじゃないかな。

高山さん:確かにカジュアルアイテムって、相反するものを合わせるのが一番大人が着やすい方法なのかもしれないね。
このコーディネートもたぶんパールがないとちょっと違った印象になるだろうし、靴はヒールのあるものじゃないとどうしても全体が締まらないから、その二つのアイテムのおかげで着こなし全体にだいぶエッジが効いてる気がする。もちろんあえてすごくカジュアルに着ても可愛いんだけどね。

山本さん:今回スタイリングをしてみて改めて気づいたけれど、カジュアルアイテムってヒールやジュエリーといった相反するものをどんなに盛っても過剰にならずに受け止めてくれる魅力があるよね。

高山さん:うんうん、本当にそうだね。今季だったらミリタリージャケットの中にファーベストとかボアベストを仕込んであえてライナー的に使っても可愛いかも。ファーとかボアをちょっとチラ見せする感じで。

山本さん:そのコーデ、絶対やってほしいな!

 


パールやフリル、きれいめパンプス。
大人のミリタリージャケットは、盛ってこそ成立する

 
 
 

ジャケット¥41800/ハイク(ボウルズ) ニット¥26400/スローン、シャツ
¥39600/ル ブーケ(ともにザ ショップ スローン 自由が丘) パンツ¥20900/ト
ゥモローランド コレクション(トゥモローランド) バッグ¥35200/ケイト シェリ
ダン(ジャーナル スタンダード ラックス 表参道店) 靴¥38500/プリティー・バレリーナ(エフイーエヌ) その他スタイリスト私物

高山さん:今日香織ちゃんが提案してくれたコーディネートみたいに、首元や袖口からフリルシャツを出したり、あえてちょっときれいめなパンツやパンプスを合わせることが、やっぱり大人っぽく見せるコツなんだなと分かったよ。それから今日着たみたいにちょっと襟を立ててみたり、袖をまくったりするのもこなれて見えるポイントなんだよね、きっと。

山本さん:その通り。あとはミリタリージャケットを着るときは、やっぱりワントーンとかモノトーンでまとめると、大人にも着こなしやすいよね。このコーディネートもジャケット以外はモノトーンでまとめて、バッグでボルドーをちょっと差して秋らしさをプラスしてみました。

今回は2つともパンツスタイルでコーディネートしてみたけれど、ワンピースを合わせるスタイルも実は提案したかったんだ。

高山さん:ワンピース合わせも絶対可愛いよね。例えばオケージョンにも使えそうな深めのVネックのストンとしたワンピースにパールを付けて、足元は黒いパンプスにこのミリタリージャケットをバサッと着るのも素敵だと思う。逆にすごくカジュアルな日だったら、同じワンピースでも足元をスニーカーに変えてキャップを被ったりしたら一気に日曜日モードになりそう。


山本さん:カジュアルアイテム全般に言えることだけど、ミリタリージャケットのような特にカジュアル度の高いアイテムは、ジュエリーとかヒールとか、いわゆる女性らしいアイテムをちょっと大げさなくらい盛るとそれぞれのアイテムの魅力が引き立って、全体的にきれいめに見えるんじゃないかな。


高山さん:大人はいろんな買い物経験をしてきて、今は出番が少ないジュエリーとかヒールのあるパンプスとかを実は結構持ってるはずだから、そういう家で眠っているものを引っ張り出してきて、あえてベーシックなカジュアルアイテムに合わせると、魅力が蘇っておしゃれがまた楽しくなりそうだね。

今回着回したのは、メンズ・レディース兼用の
HYKEの名品ミリタリージャケット

ジャケット¥41800/ハイク(ボウルズ)

今回の2つのコーディネートに使用したのは、高山さんも愛用されているというHYKEのミリタリージャケット。メンズライクなシルエットながら、ストンとしたシルエットが全体をすっきりと見せてくれるので着回しやすい一着です。高山さんが今回着用したサイズはサイズ2ですが、1〜5までとサイズ展開も豊富なので、着たいイメージのシルエットに合わせて選べるのも嬉しいポイント。

発色のいいリップとツヤ肌で
メイクも盛りぎみがちょうどいい

 

最後に、今回ヘア&メイクを担当いただいた鈴木智香さんにメイクのコツを教えていただきました。

「ファッションと同様メイクも、リップの色味や肌のツヤっとした質感で、いつもより女っぽさを盛りぎみにするときれいめに見えるはず。とはいえ、かなりカジュアル度の高いミリタリージャケットとのバランスを考えて、肌は薄く作るのがポイントです。リップは赤でも今回使ったようなオレンジ色でも素敵ですが、肌にツヤがあるので質感はマットに。ギラギラしすぎず程よく抜け感が出ると思います」(鈴木さん)


次回は、永遠の定番カジュアルアイテム「ボーダーカットソー」がテーマ。サイズ選びや着こなしのコツについて教えていただきます。お楽しみに!


お問い合わせ先/
アクセソワドゥマドモワゼル tel. 03-3475-4046
アマン tel. 03-6418-5889
エフイーエヌ tel. 03-3498-1642
カドー 六本木ヒルズ店 tel. 03-6447-1239
ザ ショップ スローン 自由が丘 tel. 03-6421-2603
ジャーナル スタンダード ラックス 表参道店 tel. 03-6418-0900
シンチ tel. 03-5761-6348
チマラ デザイン tel. 03-6452-4934
トゥモローランド tel. 0120-983-511
ノグチ tel. 03-6673-9648
ボウルズ tel. 03-3719-1239


撮影/石田祥平
モデル/高山都
スタイリング/山本香織(+chip)
ヘア&メイク/鈴木智香(A.K.A.)
構成・文/堂坂由香