「想像力は思いやり」だと思った瞬間


ちなみにワンオペで過ごした夫は、特に何かを嘆くでもなく、私に見返りを求めることもなく、淡々と飄々と日々をこなしていました。

掃除や洗濯が大渋滞を起こしているんじゃないかと覚悟していたけれど、その辺りも思っていたほどではなく。大袈裟に感謝を伝えると同時に「やればできるんじゃん!」と、これも心の中でだけつっこみました。(感謝は本当にしています)

さらに「このくらいでそんなに気分転換できるなら、まあ、たまには行ったら?」と言うので、年一回の恒例イベントにできたらいいなと画策中です。

 


また、一部のママ友からは英雄のように迎えられたのがちょっと面白かったり。

彼女たち曰く、「すごい、よくやってくれた!」「経緯を詳しく聞かせて。前例があれば私も交渉しやすい」とのこと。

それはたしかに一理あります。私も夫に対して何度も単身旅行をした友人の話を聞かせたし、何なら「最近はママの1人旅行が流行ってる」くらいまで話を盛りました。

少なくとも私の周りは、ほとんどのママが「たまには1人でゆっくりしたい」と思っており、でもそれを実現するのはやはりそう簡単なことでもなく、一般的に母親が子どもを置いて旅行に行くのは「特別なこと」なんですよね。

でも実際、「りさがきっかけで1人旅行が決まった!」との声も数件あったので、これが雪だるま式に広がり、私がでっち上げた「ママの一人旅ブーム」がママ界に本当に起こればいいと心から願っています。

そして最後にもう一つ、グッときた経験をシェアさせてください。

帰国後、あまりに紫外線を無防備に浴びすぎたので、ケアをお願いすべく日頃からお世話になっているエステに足を運んだときのことです。

馴染みのセラピストさんが、「インスタ見てました。本当に楽しそうで何より……」と笑顔で迎えてくれた後で、こんなことを言ってくれたんです。

「でも、ある意味大きな勝負、冒険だったんじゃないですか。息子さんもりささんも大変でしたよね、本当にお疲れさまでした。無事に乗り越えられてよかったです。きっと、絆が深まりましたよね」

この言葉を聞いて、少しうるっときてしまいました。

だってはたから見れば、私はただ母親業をサボって1人でハワイで遊んできた女と思われる可能性もある。あるいは、たまたま単身旅行を叶えたラッキーな女、優しい視点から見ても、やっぱり基本的には「羽目を外して楽しんできた」という印象を与えるのが当たり前。

もちろん、実際ものすごく楽しんでは来ました。パラダイスのような日々を満喫しましたが。

でも、ここまで記事を読んでくれた読者さんはこの感覚を少しわかってくれると期待しますが、セラピストさんの言う通りでもあったんです。かなりハラハラソワソワビクビクしたし、良いことばかりでもなかった。でも何とか無事乗り越え、自分が少しレベルアップした気がするし、結果として息子との関係も深くなった。

セラピストさんは高校生と中学生のお子さんがおり先輩ママでもありますが、やはり接客業でホスピタリティを極めている方はさすがだなと思ってしまいました。想像力とは、思いやりのことなのかもしれません。

……あまりに感動したので、宣伝を入れさせてください。(頼まれておりません)六本木ヒルズの「ギノー」というエステサロン。おかげさまで日焼けダメージは感じなかったし、お悩みに合わせてたくさんのメニューがあるのでとってもオススメです。

 

だいぶ長いレポートになりましたが、長文にお付き合いいただいた皆さま、ありがとうございました。旅行を一緒してくれた妹、友人、優しく迎えてくれたママ友、そして息子と夫にもこの場を借りて感謝を伝えたいです。

私はミモレの「明日の私へ、小さな一歩!」という言葉が大好きで、何か迷うことや叶えたいこと、解消したいことがあるときは、足踏みをせずに、明日の自分のために少しでも歩を進めようと意識するようになりました。

今回の旅行はだいぶ大きな一歩でしたが、挑戦して本当によかったと思います。
 

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文・構成/山本理沙​
 

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