男性アイドルの「推し活」歴10年以上の麻紀さん(43歳)。中学生2人のお母さんで、週5日通勤し、家事もしっかりこなしながら趣味も楽しむエネルギッシュな方です。しかし現在は夫の誠也さん(47歳)から離婚したいと告げられています。

温厚で理解のある夫の誠也さん(47歳)との仲が壊れ始めたきっかけは「秘密でホテルに行ったときのクレジット控え」でした。

【推し活離婚】「もはや精神的浮気です…」リアコ妻の苦悩と禁断の祭壇を見た夫の報復_img0
 

取材者プロフィール
 妻:麻紀さん(43歳)。派遣社員。アイドルの推し活歴10年。
夫:誠也さん(47歳)。会社員。趣味はフットサル。
子:中学生がふたり。
 

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いつのまにか生じた夫との距離


「推しの生誕祭のため、有休を取ってビジネスホテルに1日籠り、心行くまで部屋をデコレーションし、ひとりDVD上映会をしたことは、もちろん家族には秘密でした。

ライブの遠征で地方に1泊することもあったので、かかるお金としては大差ないのですが、さすがにオタクの極みみたいな行動で、夫に話すのは憚られて……。

でもクレジット控えを見られて詰問されたとき、動揺して『推し活仲間で集まって、ライブDVD鑑賞会をした』と答えました。夫はさすがに、『内緒で有給休暇とホテルを取ってまで大の大人がやること? そのお金と時間は子どもたちと一緒に使いなよ』と硬い表情で言いました。その通りです……」

麻紀さんは、取材中、次第に小さな声になり、肩を落としました。

傍目には上手に趣味を楽しむ恵まれたアラフォーの奥さんであり、工夫もしているのでそのくらいの自由は許されると思えました。しかし母としての役割が加わったことで、少なくとも夫側から見れば求めるものが変化してきたように思います。

結婚当初のDINKS時代には、麻紀さんの稼いだお金を夫婦の財布に充当すればあとは自由というシステムでOKでした。しかしお子さんが大きくなるにつれて教育費や遊興費がかかるようになり、行動範囲が広がったことで幼い頃とはまた違った時間と心の配分が必要になります。

私のお金と時間は私のもの。そう言い切れないのが大人であり、親であるのかもしれません。麻紀さんの推し活は、10年かけて、いつの間にか誠也さんにとって「家族の時間とお金を圧迫するもの」に変化していたのです。