「娘はスプーンを握ろうとせず、握らせてもきょとんとしていて、使い方がわからないようでした。道具を当たり前のように使えない、スプーンひとつ握らせて、食べるという行為を教えることがこんなにも苦労することだなんて、思ってもみませんでした」

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「障がい児及び医療的ケア児を育てる親の会」という団体があります。この会では、障がい児や医療的ケア児を育てながら、働き続けたい親たちが、ゆるやかにつながり、支え合っています。
障がい児や、医療的ケア児を育てながら働こうとする親の前には、両立を続けるためのハードルが幾重にも立ちはだかっています。子どもや家族の暮らしを守るため、この団体は行政や勤め先への働きかけを続けています。ケアの必要な子を育てている親も働き続けることができるよう、育児・介護支援制度を子の年齢で区切らず、障がいや疾患の状態に応じて配慮してもらえるよう、社会を変えようとしているのです。

この会の会長であり、朝日新聞社に勤めながら、重度の知的障がいを伴う重い自閉症の15歳の娘さんを育てていらっしゃる工藤さほさんへのインタビュー、第2回めです。


第1回はこちら>>>【障がい児を育てながら働く①】親が離職し、経済的にも困窮。ワンオペ育児・介護で親も心身に不調をきたし...という現状を変えるために

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——ご主人とは職場結婚だそうですね。

はい、同じ新聞記者どうしで、30代半ばを前に結婚しました。夫も子ども好きで、子どもに恵まれますようにという思いを込めて、5月5日のこどもの日に入籍しました。