——まさに、娘さんだけでなく工藤さんも“育てていただいた”のですね。

本当にいろいろ教えていただきましたね。

「療育施設には基礎疾患のあるお子さんもいます。風邪を引いたら、すぐに病院に連れて行き、感染症ではないか診断してもらうこと。咳がひどいときは、きちんと休ませること」

「園を出たら、お母さんが子どもの代弁者になるんです。あなたしか、子どものことを周囲に説明して、受け入れてもらえるようにする人はいないんです。あなたが子どものことを、きちんと理解できなくてどうするんですか!」

先生は、1年後に復職する私のために、全力で私を叱ってくださいました。

【障がい児を育てながら働く⑤】3歳で療育施設へ。次第に安定していく娘。そして先生方の厳しくも愛のある“親”への指導にも支えられ..._img0
水が大好きな娘。週末は障がい児のプールサークルに参加しています。

こんなこともありました。3歳のころの娘は、唯一に近い発語「わんわん」を繰り返していたんです。でも私は、どういうときに娘が「わんわん」と言うのか、理解できず、「わんわんはかわいいねぇ。わんって吠えるね」と繰り返し答えていました。

 

——それを先生が説明してくださったんですか?

はい。「娘さんは、見通しが立たず、不安になっているときに『わんわん』と言っています」と、先生は教えてくださいました。また、親子で外食時に、娘がうなり声をあげて困ると話すと「お母さんが外食したい気持ちはわかるけど、娘さんがそういう状況の時は無理をさせないこと」と私のわがままを諭してくださいました。