アンミカさんは“ジャンル”がハッキリしている人
だからこそ、パパイヤさんが振付を考案するときにもっとも意識していることは、踊る本人のアイコニックな魅力を引き出すことだそう。
「なぜかというと、そうすると本人が楽しく踊ることができるから。踊っている人が楽しんでいれば見ている人も楽しくなるし、マネして踊ってみたくもなるんですよ。だから僕は振付を依頼されたとき、必ず踊る人が得意な動きを入れるようにしているんですね。サッカーをやっていた人ならサッカーの動きを入れる、とか。僕はNHKの番組『チコちゃんに叱られる!』内のダンスプログラム「チコちゃんに叱られたい!」の振付もおこなったんですけど、これにはブレイクダンスの動きを取り入れています。それはチコちゃんと一緒に踊る岡村隆史さんが、ブレイクダンスをやっていたから。本人が長くやってきていることって、自然に体が動くので楽しめる度合がグンと上がるんですよ」
もちろんアン ミカさんのMVの振付も、同じことを意識したと言います。
「彼女はモデルですから、ファッションショー的な動きを取り入れました。あと、彼女はとにかくポジティブエネルギーがすごい。『アン ミカさんぽいよね』と言われたらどういうポジティブさか一瞬にして分かるほど、“ジャンル”というものがハッキリしている人です。ジャンルそのものと言ってもいいですよね。その、彼女ならではの魅力も全面に引き出せるような振付を意識しました」
「何か違う」と一度作った振付を破棄
実はパパイヤさん、アン ミカさんから振付のオファーをもらったときは、いつになくワクワクしたのだそう。
「この『アンミカーニバル』はアン ミカさんが作詞も携わっているんですけど、本当にポジティブでパワフル。『Happy Lucky Love Smile Peace Dream』と、ポジティブワードをたたみかけるように歌っています。歌といえばラブソングが大半な中、これだけストレートにみんなを元気づけようという一曲って珍しいと思うんですね。しかも歌って踊るのがアンミカさんですから、『これはカロリー高い振付が必要だな』とワクワクしましたよ(笑)」
しかしアン ミカさんのポジティブエネルギー値は、想像以上のものがあった……。そのためパパイヤさん、一度作った振付案をいったん白紙にして、全く新しいものを作り直したのだそう!
「完成のダンスは再考バージョンなんです。最初のお打ち合わせではまだ歌詞が完成していなくて。曲だけ聴いて振付をスタートしたこともあって、もっとみんなで一緒にゆるく踊れるような感じにしていたんです。でも、実際に歌詞が乗ったものを聴いてみると、『Happy Lucky Love Smile Peace Dream』とポジティブが畳みかけてくるような凄いパワーがあった。アン ミカさんは『愛の言霊』という言い方をしていますけど、この彼女ならではの言葉ともっとリンクさせたダンスにしたいなと思って。それでリテイクしたところ、歌詞とサンバのリズムとダンスが見事にハマった、と自負しています」
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