8 ホットフラッシュが起こる

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写真:Shutterstock

更年期症状の中で比較的多くの人に起こるのが、のぼせやほてり、発汗などのホットフラッシュ。

その場にいる誰もが暑さを感じていないのに、自分だけが汗をかいているという状況になることがあります。

「更年期症状の中でも特にホットフラッシュには、女性ホルモン減少の穴埋めをするホルモン補充療法(HRT)が効果があります。

閉経して数年以内のタイミングで使われる方が多いですが、更年期症状が出てきてつらいという方は閉経前のゆらぎの時期から始めることもできます。

年齢の目安としては40代後半以降。婦人科医と相談しながらご自分に合ったタイミングでスタートしてください」(産婦人科医・吉形玲美先生)

 

9 メンタルダウンしやすくなる

40代後半から50代にかけて、女性ホルモンが乱れながら減少していくことによって、身体面での不調だけでなく、メンタル不調に陥ってしまうケースがあります。

若い頃から月経やPMSでメンタルが落ちてしまう方、産後うつを経験された方は、更年期うつにも注意が必要です。なぜかというと、月経がある時期と更年期というのは、女性の身体にとって完全にシームレスだから。

つまり月経がある期間の不調と更年期の不調はそれぞれ別のものではなく、女性ホルモンの乱れからくる不調ということでつながっているので、月経にともなう不調の解決策はそのまま更年期にも使えることになります。

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解決方法としては、漢方やピルを内服するなどの方法があります。もしその治療が身体に合っていて、月経の不調を軽減できている人は、それは更年期の不調にも同じく効く可能性が期待できます。ピルは、順調に経過していれば50歳の1ヵ月前まで服用することができますし、その後はホルモン補充療法(HRT)に切り替えればよいのです。

今困っていることがあるとしたら、それを放っておかない考えを持ってもらいたいと思います。若いころから月経やホルモンバランスの不調に対してきちんと向き合い、自分に合ったきちんとした対策方法をあらかじめ考えておくことは、メンタルケアとしてとても大事なことだと思います」(産婦人科医・高尾美穂先生)

10 性格が男勝りに変化する

更年期うつに陥る人がいる一方で、以前よりも行動的になるなどアクティブに変化する人もいます。それは男性ホルモン「テストステロン」の働きによるもの。実は女性も、男性の10分の1~4分の1程度ですが、このテストステロンを持っています。

「閉経を迎える前までは女性ホルモンが潤沢にあるので、テストステロンの活躍は陰に隠れていますが、閉経後に女性ホルモンが減少するとテストステロンのはたらきが頭角を現してきます。女性の血中にある男性ホルモン/女性ホルモン比が、同年代の男性に近くなってくるのです。

これによって、以前よりもハッキリ意見を言うようになったり、行動力が高まったり、性欲が上がったりなどの変化が生まれます。家庭内で夫と妻の力関係が逆転し、女性が主導権をとるカップルが多くなるのは、性ホルモンバランスが関与しているのです」(泌尿器科医・関口由紀先生)

テストステロンは筋肉や骨の維持を担う元気ホルモン。閉経で女性ホルモンが減少した女性が、テストステロンまで減少してしまうと寝たきりのリスクが高まります。テストステロンは健康寿命を延ばすのに欠かせないホルモンなのです。

筋トレをしたり、お肉を食べたり、「推し活」などで脳に刺激を与えることもテストステロンのアップには有効だそうです。