ファッション業界で働いていると、きれいめなテイストの服装よりも、“こなれて見える”カジュアル感のあるスタイルのほうがおしゃれだという認識が業界内にあると感じているファッションエディターが執筆。ですが、私自身はきれいめなコーディネートのほうが落ち着く。そして、カジュアルが苦手。スウェットパンツをはくと部屋着に見えてしまうし、デニムもかっこよくはきこなせない。ラクだからはいているように見えてしまう……。年齢を重ねてからずっとこんなふうに思ってきました。ですが、最近やっとスウェットパンツやデニムを克服できるようになってきた気がします。その理由と方法を紹介します。
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30代でデニムをすべて処分。40代になるまでデニムなしで生きてきた
10代、20代のころはデニムが似合うとか似合わないとか、あまり悩んだことがなく、当たり前のようにはいていました。ですが30代になったあるとき、「デニムがしっくりこない」と感じるようになりました。おしゃれに見えない、ラクだから惰性ではいているように見える、だらしなく見える。これらが理由です。そして、手持ちのデニムを1枚残らず断捨離。デニムなしのワードローブで40代までやってきました。
H&Mの黒デニムに出会って、「デニムが苦手」を克服
40代になったあるとき、H&Mで見つけたデニムを試着してみたら、「あれ、これならいけそう?!」とデニムをすんなり受け入れることができたんです。黒で少しフレアになったクロップド丈のデニム。
色が黒だからカジュアル感が控えめですし、このシルエットで脚がすっきり見えたのが要のように感じますが、実はそれ以上に大きなポイントだったのは、「カジュアル服を着慣れたこと」ではないかと思うのです。
1年前にカナダのバンクーバー郊外に引っ越し、仕事は完全リモートワークになりました。“初対面の方とのリアルで打ち合わせ”のような、きちんとしなければならないシーンも無くなったので、仕事相手のためにきれいめで好印象な格好する機会がなくなりました。
雨も多いし雪も降る、子供の送迎などで歩く機会や外にいる時間も増えたので、コーディネートは必然的にカジュアルに。クローゼットには夏はTシャツやレギンス、冬はスエットやダウンなど、カジュアルなアイテムがたくさん並ぶように変化。
カジュアルな服を毎日のように着たことで、カジュアルな服を着た自分にも見慣れ、苦手意識が軽減したのだと思います。「着慣れる」ことがここまでファッションに大きな影響を与えることに自分でもとても驚きました。
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