こんにちは。ライターの榎本です。突然ですが、わたくし、女優の羽田美智子さんの大ファン。4月18日(月)に新著『羽田美智子が見つけた 沖縄 すてき、ひとめぐり。』が発売されるとのことで、インタビューを敢行してまいりました(緊張&感激)! その本にかけた思い、そして、ミモレ世代でもある羽田さんの素顔を3つのキーワードから紐解きます。

1.きっかけをくれる島
「初めて飛行機に乗って出かけた場所が沖縄です。空から見た海の色が「嘘でしょ!?」というようなブルーで、「なんなんだろう、ここは」と、理想郷すぎてびっくりした記憶があります。茨城の大洗で育ち、ブルーグレーの色の海しか知らなかった私は、こんなブルーがあることに驚きました。それが初めての沖縄との出会いです。女優として初めて、キャンペーンガールの仕事が決まったときの撮影も沖縄。そういう経験させてくれたのもこの島でした。

ずっと海が怖かった私が、ダイビングを初体験したのもこの場所で、海の中の世界を見たときに、180度世界が変わるみたいなショックを受けたんですね。魚たちが悠然と泳いでいて、人間とはまったく関係ないところで営みがあることを実感し、人間も地球の一部だと気づかされました。それで陸に上がってみたら、見るものの感覚が変わってきて……。まさかそこに結婚して住むようになるなんて思いもしませんでした」

2. 今感じる“本当の豊かさ”

 

「実際に住んでみると、都心と比べたら不便なこともあります。でも、本当の贅沢さとか豊かさを考えたときに、“すべて”がある島だと感じました。隣近所の付き合いがあったり、昔ながらの暮らしがあったり、親から子へ伝えていく風土があったり……。そこに人が集まるとみんな楽しそうにしているのが、妙に懐かく思えて。「あぁ、私が子供の頃ってこうだったなぁ」、って。それをいつの間にか忘れていたんです。それらが沖縄には残っていて、暮らすことで気づいた本当の豊かさを、人とシェアしたいという思いが出てきて……。それと同じタイミングで、この本のもととなる連載を始めることができたのも縁だと思っています」

3. はだかの自分に戻れる場所

 

悩みの根源はひとと比べること、競争することから生まれてくるでしょう? 沖縄にいくとそういったことが一切なく、すごく解放されるんです。沖縄に何を求めているかって、それは“癒し”だと思います。太陽が沈んで朝日がのぼって、自然の繰り返しのなかに生きていると、とてもシンプルになれる。森のほうにいくと空気の粒子が緑で、海の近くは青で、太陽を浴びるとオレンジの粒子が体のなかに入ってきて、沖縄の人の笑顔にもさまざまな色を感じて……。色のシャワーを浴びると、私は元気になっていくんです。裸の自分に戻れるって、まさにこういうことだと感じています。

自然は、本当に偉大。人間として生きている以上悩みは尽きないと思います。だからこそ、“抜き場所”を覚えておくと楽になれるんじゃないかと思っています。この本は、私と同じように悩みを抱えている女性たちに、私が感じた沖縄のエッセンスを伝えられたらという思いを込めて書いたものでもあるんです」

沖縄で羽田さんが見つけた“自分らしさ”。それは、「悩みや欲、すべてひっくるめて自分だからしょうがない」、そんなふうに自分が楽になれる場所に辿りついたからこその答えなのかもしれません。

PROFILE
  • 羽田美智子 はだみちこ女優として数々の映画、ドラマ、CMなどで活躍。2011年、沖縄在住のご主人との結婚を機に、沖縄・恩納村に居をかまえる。4月6日スタート(毎週水曜21時〜)の連続ドラマ「警視庁捜査一課9係 season11」(テレビ朝日)に出演中。
 

羽田美智子が見つけた 沖縄 すてき、ひとめぐり。
光文社 ¥1200
羽田さんいわく、「始めは点だったお気に入りの場所が、その先で紹介してもらった次の場所につながり、ドーナツみたいにひとめぐりしたことから生まれた」という本書。ギャラリーやカフェ、そこで出会った器や布、そして作家とのふれあいなど、羽田さんのフィルターを通して知ることができる“新たな沖縄のすてき”が凝縮。この夏はこの本を片手に沖縄を訪れてみたい、そんなふうに思える魅力に溢れた一冊です。

★4月23(土)、24(日)に、出版記念イベントも開催! 詳細はコチラから。

撮影/目黒智子 取材・文/榎本洋子