「立場に心が縛られない」ようにしたい


――執行役員になられて、部署メンバーのみなさんや周りの人たちがちょっとよそよそしくなったりはありませんでしたか?

大木 みんながどう感じているかはわからないですが(笑)、私自身はあまり変わったとは感じていません。ただ、就任直後だったか「組織は必ず“ピラミッド”を作ることで人の心を支配するからね」との言葉を誰かから聞いて、すごく納得したことがあります。

そもそも弊社は役職で上下関係が出来上がるような環境ではありません。にも関わらず、4月に執行役員になったことで今までは昇進とかどうでもいい! って思っていたはずなのに、「ちゃんとやらなきゃ」「どう見られてるんだろう」と心が支配されることもありました。今はなるべく「立場に心が縛られない」ようにしたいなとは思っています。偉そうにするのはもちろん、逆に遠慮したり、人の目を気にしたりするのもやめようと。

 

この仕事の社会的意義ってなんだろう?


――執行役員になったからこそ見えた、新しい景色などはありましたか。

誰にも注意されない40代「私が私を評価する」。入社1年で昇進、執行役員になって見えた役割【大木優紀さん】_img1
 

大木 会社そのものを俯瞰で見られるようになって、私たちが存在する社会的意義、みたいなことをすごく考えるようになりました。具体的には、弊社の海外旅行予約アプリ『NEWT(ニュート)』というサービスが社会にとってどんな意味があるのか。誰のためにやっているのか。PRの仕事だけをやっていた頃は、どう記事にしてもらおうとか、そんなところだけが気になっていたので。少しだけ視座が上がって物事を考えられるようになったのは、自分にとってもすごく嬉しいことですね。

――ちなみに、執行役員になり経営幹部との距離感もより近くなったと思うのですが、経営に関する知識はどのようにインプットしていますか?

大木 自分が出演しているので手前味噌になってしまいますが、動画メディアの「PIVOT」で、学ばせていただいたのは大きいです。出演してくださる方々がビッグネーム過ぎて、ものすごく成功している方ばかり。だから、「そうはいっても現実は難しいですよね?」と感じることもあります。でも、そのように感じる私がお話を聞くことに、まさに意味があると思っていて。

成功体験談って、ビッグネーム同士だとどうしても雲の上のトークになってしまう。だから、アウトプットする難しさを知っている異業種転職、中途採用の私だからこその質問を心がけています。「PIVOT」は仕事のことだけでなく、教育や投資、マーケティングなどジャンルが広く、内容がとても面白いので、自分が出演していない回も料理しながら聞いたりしています。