お仕事帰りに同僚と。大切な家族や友人と。
心からおつかれさまと伝えたい日のレストランを厳選してご紹介します。

白金で出合うシチリアの下町食堂
ロッツォ シチリア(白金高輪)

シチリア名物イワシ、ウイキョウ、松の実のスパゲットーニ¥1500。シチリアに欠かせないパン粉で仕上げたパスタには、レーズンも。

席に着くや、シチリア流に自家製フォカッチャと半割りのレモンがポンとテーブルに。ここではとりあえず、パレルモ名物のフリット、パネッレを。パネッレにするひよこ豆のペーストを、皿の裏に貼り付けて乾かす風景は、パレルモの街の風物詩。かの地で3年間、修業を積んだ中村嘉倫さんは、この素朴なパネッレを、現地と同じように大切に作ります。さらに、シチリアの味の特徴であるアグロ・ドルチェ=甘酸っぱさを効かせたカポナータに、パン粉が名脇役のパスタ。どれも何気ないけれど、実は手間暇かけて、本場の味を再現したもの。シチリア料理の人気店「ドン・チッチョ」出身者が、現地さながらを目指した店は、それにふさわしい活気で一杯だ。

後を引くおいしさの、パレルモ名物ひよこ豆のフリット〝パネッレ〞¥600。ビオワインの生産地として人気を集めるエトナ。
シチリア定番のナスビのカポナータ¥900。大きめにカットした野菜を、ひとつひとつ下ごしらえして作るカポナータは、とろりとしていて、ビネガーの酸味が効いている。
サービスを担当する阿部努さんが漬けている果実酒も、お店の隠れた名物。
手前にはカウンター席と、スタンディングのカウンター。ここでパネッレとワイン1杯もOK。

 【ロッツォ シチリア】
東京都港区白金1-1-12内野マンション1F  03-5447-1955  営業時間:18:00~23:00LO  休日: 日曜・祝日の月曜  カウンター7席  テーブル20席  ディナーはアラカルトで、シチリア定番のナスビのカポナータ¥900、キノコのサラダ¥1400、食後酒¥400~ (すべて税込)



築地で満喫するアマルフィの風
トラットリア 築地 パラディーゾ(築地)

魚介の盛り合わせ¥1800。築地の新鮮な魚介が、マリネやフリットで皿からこぼれんばかり。シンプルだけど、ワインが進む。珍しいアマルフィのワイン(白¥5500)と。

トリュフも渡り蟹もなし。具はといえば、ズッキーニとチーズだけ。しかも、麺はバリカタ。なのに、唯一無二のおいしさで、来る人を虜にする。そんなパスタに出合える店が、築地場外にあります。ズッキーニもなんと2本! チーズもこれでもかとどっさり入った濃厚なパスタはもちろん、ビシッと酢が効いたマリネも、素朴で軽いチョコケーキも、すべて南イタリアを感じさせる本場の味。アクアブルー一色の店内で食べ尽くせば、仕事帰りに一気にリゾート気分!

ズッキーニのスパゲティ¥1600は、必食。食べ進むほどに、フォークが止まらなくなる、クセになるおいしさ。
ドルチェミスト¥1600。トルタ・ディ・カプレーゼという郷土菓子に、ババ、プリン、洋ナシとリコッタチーズのケーキなど、どれも軽めながら、深い味わい。
築地場外に突如現れる、アクアブルーを基調にした店。

【トラットリア 築地 パラディーゾ】
東京都中央区築地6-27-3  tel. 03-3545-5550   営業時間:月~金/11:00~14:00LO、18:00~22:00LO 土・日・祝/11:00~14:00LO、
17:30~21:00LO  休日: 水曜 カウンター5席  テーブル25席  ランチ¥980~(5種)グラスワイン¥800~ (すべて税別)

撮影/小出和弘 取材・文/齋藤優子 構成/藤本容子