──行政が運営する保健所では、保護した動物は高い確率で殺処分されてしまうんですか?

「保健所、愛護センター=殺処分をする場所」というのは少し違います。私の活動している地域は殺処分率が全国で1位なんですが、動物愛護管理センター(長崎県生活衛生課)のみなさんは動物が大好きで、なんとか殺処分にならないように一般の予算などを集めたり、譲渡基準を厳しくするなど、いろいろ努力されいます。

地域によって異なりますが、一概に“殺処分をする場所”とは思ってほしくはないですね。保健所でも譲渡会などを開いているし、愛護センターでは保健所ではできない医療行為も可能です。普段やっていることは民間団体と大きくは違いません。

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人を絶対に信用しない血だらけだった野良猫“足湯さん”。

──たまさんは保護団体に勤めた後に、ブリーダー犬舎でも3年間働いていますよね。これにはなにか理由があったんですか?

保護施設で感じたのは「動物を飼おうと思った時、保護犬、保護猫を選択する人があまりに少ないな」ということだったんですよね。一方で、ペットショップの売上が年々上がり、日本の人口の約3割がペットと暮らしていると言われています。2017年に行われた調査では、ペットショップなどで1年間で販売された犬猫は85万頭。そして、同年行われた殺処分は4万3千頭。数字にするとたった数パーセント、救えない数ではない。ならばペットショップやブリーダーに目を向けるべきだなと思いました。

ずっと疑問に思っていたいくつかのこと——「動物を飼う人たちは、なぜそこで買うのか?」「そこにはどういう子がいるのか?」「そこで何が行われているのか?」を、実際に自分の目で見てみようと。

──ペットショップやブリーダーの裏には、動物にとっていろいろなひどい状況があると言う話はよく聞きますよね。

そういう噂を聞いたことはあっても「見たの?」と聞かれたら何も言えない、それなら実際にこの目で見てみようと。それでとあるブリーダーに「見学したい」と連絡をとったんですが、もちろんダメで。ならばと求人募集に応募して入ってみたんです。

当初は自分が抱える疑問の答えが出たらいいなと思っていたんですが、それ以上のこと、ペットの流通の問題などいろいろ考えさせられました。

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幸せな復讐とはいったい何なのかを教えてくれた“くるみちゃん”。