「R-1ぐらんぷり2018」の王者であり、生まれつき目が見えない漫談家・濱田祐太郎さんは、世間を騒がせた人をイジったり、自身の障害をブラックジョークにする芸風で人気を集めています。自身のYouTubeチャンネルでは、「障害をネタにすることへの賛否」「障害は個性じゃない」「テレビでは取り上げない障害者のタブー」など、障害者を取り巻くさまざまなトピックについて、綺麗事抜きで率直に語っています。今回はそんな濱田さんに、「テレビで障害者が活躍しにくい現状」「障害者がテレビで笑いをとることへの世間の反応」などについてお話を伺いました。

濱田祐太郎
NSC大阪35期生。2018年「R-1ぐらんぷり2018」優勝。ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日テレ系)では解説コーナーの案内人を務め、話題を呼ぶ。趣味:フォークギター、アコースティックギター、フィンガーピッキング、大食い。特技:あんまマッサージ指圧師、鍼師、自分の好みに合わせて丁度いいかたさでお米を炊ける事。時事ネタに鋭く切り込み、いろんな意味で世間を騒がせた人をイジりまくるYouTubeチャンネル、目の見えない人の日常を語るstand.fmも人気。
YouTubeチャンネル:濱田祐太郎のはまゆうチャンネル、stand.fm:濱田祐太郎の盲目ライフを盗み聴き

 


テレビは障害者が出演する準備をしようとする気持ちが足りない


ーーご自身のYouTubeチャンネルで、「障害者はテレビから敬遠されている」と話していらっしゃいました。やはりテレビで障害者が出られる場が限られていると感じますか?

濱田祐太郎さん(以下、濱田):今のテレビ番組がそういう状況を表しているんじゃないですかね。僕はあえて「障害がある人が福祉番組に閉じ込められている」っていう表現をしています。バラエティとか歌番組、料理番組、ドラマとかいろんなジャンルがありますけど、障害のある人が出られるのは、結局福祉番組がほとんど。パラリンピックで活躍した方がたまにトーク番組に呼ばれるとかいうことはあるけど、別にそれが定着するわけでもない。今の状況で、テレビを作ってる人たちは多様性を果たしてるとか、SDGsを全うしてるみたいに思ってほしくないなって思いますね。

 

ーー確かに福祉番組以外で、障害者でレギュラー出演している方がいるかというと、ほとんどいない気がします。制作側にはどんな努力が必要だと思いますか。

濱田:障害のある人が福祉番組以外の番組に出るときに、スタッフの人がどう対応していいかわからないとか、受け入れる体制が整っていない、仕組みがまだできてないみたいなこともあるかもしれないんですけど、じゃあ逆に何年福祉番組やってきたのって思うんです。別に目が見えないに限らず、車いすに乗っている方も耳の聞こえない方も、ドキュメンタリーや福祉番組では取り上げてるんやから、今まで情報はいくらでも収集できてるはずちゃうんか、自分たちが準備をしようとしていないだけなんちゃうんかなっていうのは思うんです。例えば目が見えない人だとカンペが見えないとか、カメラがどこにあるかわからないということがあるんですけど、どうしたらいいか考えるデータは膨大な量あるはずですよね。テレビ局がまず仕組みを作る準備をしようとする気持ちになってもらわないと、どうしようもないですね。