“音楽”に徹底的にこだわったキャスト陣


キャスティングがすんごい。向井理によると「僕と八木莉可子さん以外何らかの音楽活動(ダンス含む)をしている」というとおり、力のある人が揃っています。まず、英子が歌える上白石萌歌なのは納得。ギャルっぽさはあまりないかなと思ったけれど、人生初のブリーチをして臨み、どんどん馴染んできています。歌が得意な彼女であっても、『パリピ孔明』で歌われていた曲はどれも難しかったとのこと。ですが、監督に「修正する必要がないくらいピッチが正確」と評価されていました。なんと、EIKO名義でアルバムも発売されました。

英子のライバルや仲間となるミュージシャンに藤原小春・森崎ウィン・宮世琉弥・八木莉可子・関口メンディーなど。八木莉可子以外は歌やダンスなどでステージに立った経験がある人たちですが、初挑戦の要素もあり、それぞれラップやギターなどを練習したとのこと。そんな俳優陣の努力も詰まった作品だからこそ、より胸を打つのかもしれません。英子の憧れの歌手、マリア・ディーゼル役にはバンド「女王蜂」のアヴちゃん。「I’m still alive today」を歌う姿には、英子だけでなく視聴者であるこちらも鷲掴みにされました。
 

「I’m still alive today」11月29日23時〜よりプレミア公開。


また、現役のミュージシャンたちが脇役として出ているのも贅沢すぎる。英子の大ファンで孔明の密偵・メガネ女子を演じるのはバンド・赤い公園の元ボーカルで、現在はソロアーティストとして活動する石野理子。世界的アレンジャーのキドにはギタリストで、東京事変では“浮雲”名義でも活動する長岡亮介、不動産屋にマキシマム ザ ホルモンのナヲなど、邦楽好きな人にはいちいちツボなキャスティングなのです。

 


音楽シーン全体への愛とリスペクトを感じたし、原作に興味がない音楽好きな人たちが観るきっかけを作る、いいフックになっています。