「ミモレ世代のツヤっぽさ」ってどう出せばいい? そのヒントは欧米マダムたちの装いにありました! 若作りとも落ち着きすぎとも違う、年を重ねるのが楽しみになるような大人の色気のあるおしゃれを、スタイリスト佐藤佳菜子さんと一緒に考えます。
女性性を楽しんでいること=ツヤっぽさや色気につながる
「日本で生活していると、若い女性ともおばさんとも違う、“大人の女性”というゾーンがあまりないように感じるんです。結婚適齢期と言われる年齢を超えてからもずっと、女性であることは変わらず続いていくというのに。
ロールモデルとなるような、これから自分が目指したい歳の重ね方はどんなイメージだろう? と考えたとき、欧米マダムたちの装いが頭に浮かびました。もちろん欧米人にかぶれる必要はないとは思うけれど、何歳だろうが太っていようが、女の人であることを楽しんでいる欧米マダムたちのスタイルには、見習うことがあるのかな、と。
ロンドンで暮らしていたとき、おばあちゃんたちが堂々とデコルテを出したりショートパンツを穿いたり、お出かけのときは真っ赤なリップを塗ったりと、何歳になってもおしゃれを楽しんでいる姿を見て、そういうのがすごくいいなと思ったんです。
上の写真で紹介したグレース・ガネム(1964年生まれの58歳で微生物学者のキャリアを持ち、現在はインフルエンサーとして活躍)、私大好きなんですけど、グレースが着ているような曲線的な体のラインを生かした服を着られる楽しさ、パンプスを穿いたときの高揚感。持って生まれた自分の体の特徴を生かして洋服を楽しそうに着ている姿がきっと、“ツヤっぽさ”に繋がっているんだと思います。彼女たちを見ていると、これ見よがしではないけれど、絶対に女性性を忘れていない感じがするんですよね」
大人の女性ならではの肌見せや体のラインの見せ方が
絶対にあるはず
「中年になると体のラインや肌を隠そうとする風潮がどことなくありますよね。でも、もちろん若いときとは違うけれど、肉が削げたりこけてきたりと、歳を取ってきたなりの綺麗さがあると思うんです。例えばこのマダムが着ているような胸元のざっくり開いたシャツなんかは、胸の位置が下がってきた大人だからこそトゥーマッチな印象にならないはず。大人ならではの肌見せや体のラインの見せ方が絶対にあると思ってます」
大人の肌見せは1箇所だけ。
他のアイテムをマニッシュにすれば大胆すぎず、素敵に見える
肌見せする箇所をどこか1箇所だけに限定すれば、変ないやらしさが出たり、大胆すぎる人に見えたりすることはないと思います。大胆な肌見せイメージのある欧米マダムたちの装いをよく観察してみると、実は肌を見せているのはどこか1箇所だけで、他のアイテムはあえてスポーティやマニッシュなものを合わせていることが多かったりもします。
今回のコーディネートも、肩を出したのでゆるゆるシルエットのパンツとローファーといった、あえてマニッシュなものを合わせてみました。難しく考える必要はなくて、「どこか1箇所だけ」を意識したら取り入れやすいはずです。
体にフィットした服を着るときは
肌の露出を控えることで、品の良さが生まれます
こちらのコーディネートは女性らしい体のカーブを見せるデザインのビスチェとスカートが主役なので、逆に素肌をなるべく見せないように、あえてタートルネックやロングブーツを合わせています。ひとつ目のコーディネートと考え方は同じで、どこか1箇所ポイントを作って、その他は控えめにすることが大人が品良く着こなすコツ。何かとオーバーサイズ流行りの今は、1箇所引き締めて、それ以外はシルエットの大きいものを合わせると今どきっぽく見えると思います。
次回のテーマは「ドレスアップ」。クリスマスや同窓会など、イベントの多い年末年始の時期に参考になる、佐藤さん流ドレスアップのヒントをお届けします。お楽しみに!
【お問い合わせ先】
サードマガジン tel. 03-5784-2588
※掲載アイテムで価格が入っていないものは本人私物です。
着用・スタイリング/佐藤佳菜子
ヘア&メイク/桑野泰成(ilumini)
構成・文/堂坂由香
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