美容業界も注目する「オートファジー」の効果とは?


オートファジーは日本語では自食作用と呼ばれます。その名前の通り、当初は細胞が飢餓状態のときに細胞内の物質を分解して栄養分に変えて生き延びる仕組みとして認識されていました。空腹状態になると活性化するので、ダイエットと関連してこの役割が紹介されることが多いわけです。

健康と若さを保つ「オートファジー」とは?人間本来の若返り機能を、毎日の食事で活性化_img0
写真/Shutterstock

ただ、オートファジーの役割は飢餓時の栄養源確保にとどまりません。細胞内の新陳代謝つまりリフレッシュをおこなったり、細胞内に侵入してきた病原体や認知症の原因になるたんぱく質の塊、壊れたミトコンドリアなどの有害物を狙い撃ちで分解したりする役割もわかってきています。

 

そして、病気との関係が明らかになって以降、オートファジーの注目度は一気に高まりました。今では、がんやアルツハイマー病、パーキンソン病、脂肪肝や心不全などがオートファジーの機能を活性化させることで防げるのではと期待が高まっています。

高齢になると低下しがちな免疫力を高めるため感染症対策にも有効です。オートファジーを維持することで高齢になっても運動量を高い水準で維持した動物実験の結果もあります。また、細胞をフレッシュにすることから美容業界も注目しています。細胞が生まれ変わるオートファジーをうまく活用できれば、シミやシワの予防が今とは全く異なる形になるはずです。