日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、仕事にまつわるモヤモヤエピソードです。
後輩の「事務職は成長できない」宣言
エピソードをお寄せくださったのは、金融機関で事務職として働くヒサコさん(35歳・会社員)。
35歳独身、一人暮らし。就職活動しているとき、「私は特に美人でもないし得意なこと・やりたいこともない。とにかく堅い会社に入らなきゃ」と考えて、金融機関で事務職として採用されました。
入社してみると、営業職の人は毎月ノルマに追いまくられて本当に大変そう。あんな仕事私にはできないと思ったので、事務職にして本当によかったです。ルーティンワークがほとんどだし、たいてい定時に帰ることができます。
毎日淡々と働いて、仕事が終わったら友人とごはんしたりちょっとショッピングしたり。そうこうしている内にあっという間に35歳になっていました。事務職の同期は、寿退社したり転職したりでどんどん人数が減って、今では後輩ばかりです。
最近、20代の後輩が、「事務職は楽でいいけれど、この仕事では自分は成長できない」と言って転職していきました。かわいがっていた子だったので、それが結構ショックで……。たしかに事務ってあまり応用が利かないスキルというか、会社のルール通りに処理するだけの仕事なので、個人としてのスキルアップには繋がらないのかもしれません。でも、そもそも「仕事で成長する」とかそういう発想は「自分には関係ない」と思っていたので、同じ事務職の子がそういうことを言ったのでびっくりしてしまいました。
特に趣味もなく、漫然と会社と自宅を行ったり来たりしている私。「私、このままでいいの?」と急に不安になっています。
仕事に「成長」は必要か?
数年前、ネットニュースで「若手に優しいホワイト企業から、『ここにいても自分は成長できない』と言って転職していく若者が増えている」といった記事を読んでびっくりしたことがありました。「仕事が厳しいから」「人間関係がきついから」ではなく、まさか「仕事が楽過ぎて成長できない」という理由で辞めるとは。ヒサコさんの後輩もこのタイプだったのかもしれません。
「仕事を通して成長する」「やりがいのある仕事をする」「好きなことを仕事にする」みたいなフレーズは、メディアでもよく目にしますね。会社にこき使われてプライベートを犠牲にして、やりたくないことでも必死で頑張る……みたいな「社畜」精神はもう過去のもの。自分らしく働きましょうという風潮になっているのは、シンプルに良いことだと思います。
一方で、「成長」「やりがい」みたいな言葉が妙に一人歩きしている気がしないでもありません。「成長に繋がらない仕事はつまらない? 私はは本当に仕事で満足なの?」と、必要以上に焦りを感じてしまうというか……。
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