日本労働組合総連合会が実施した「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2021」では、実に32.4%もの方が「職場でハラスメントの被害に遭った経験がある」と回答しました。中でも40代男性がパワハラを受けた率は42.4%と高く、次いで30代女性と50代女性(いずれも35.2%)となっています。2020年6月には通称「パワハラ防止法」(改正労働施策総合推進法)が施行され、2022年4月からは中小企業でも義務化されましたが、その状況は果たして改善されたのでしょうか。今回の相談者・美沙さんの同期の男性もパワハラ被害に遭い、休職を余儀なくされたそう。話を聞いてみましょう。
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同期がパワハラ被害に……
SEとして今の会社で働き始めて20年。実は今、同期がパワハラに遭い、あまりに理不尽なので外野ができることはないのか考えているところです。
1年ほど前に組織変更があり、社内でも評判の悪かった上司が私たちの部署へ異動になりました。それとちょうど時を同じくして、他の部署で手に負えなくなったある開発案件が回ってきたのです。一度他部署で受けたものの、能力不足でスケジュールが遅れに遅れ、このままでは会社として甚大な被害を被るという社運がかかったプロジェクトでした。
そんな状況だったこともあり、スケジュールが遅れると上司はそのたびに感情的になり、プロジェクトリーダーだった同期のことを「仕事が遅いのは君の能力のせいだ」「存在自体が損失だ」とみんなの前で罵倒するようになったのです。彼は日に日に余裕がなくなり、切羽詰まった表情を見せるようになりました。
仕事の終わりが見えてきた頃、見かねて心療内科へ行くことを勧めたところ、適応障害と診断されたそうです。結果的に、プロジェクトが終わったタイミングで休職することになってしまった同期。激務も重なり、心身共に限界に来ていたんだと思います。その一因があの上司にあると思うと悔しくて悔しくて……。
人事に相談しましたが、会社としてパワハラの処分を下すことは難しいだろうと言われてしまいました。仮に裁判でも起こしたらどうなるんだろうと思ってネットで調べてみたら、パワハラの事実が認められたとしても、慰謝料は100万円前後。高くても200万円未満のケースがほとんどだということがわかりました。しかもパワハラに遭う人の多くが40代男性だという事実も知ったのです。
パワハラと言えば、20〜30代の若い人が受けるようなことだと思っていました。だけど現実は違うんですね……。そんなことを考えていたら、ふと体育会気質の会社に勤めている夫のことが頭をよぎりました。
仕事をしていたら、大なり小なりストレスはあると思います。ですがもし、今回のように強い叱責によって休職に追い込まれてしまったら、救ってくれる制度はあるのでしょうか。
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