「価値観のアップデート」は冬ドラマの特色に?
1月6日にスタートした原田泰造さん主演ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(東海テレビ・フジテレビ系/以下『おっパン』)も、『不適切にもほどがある!』と同じく、おじさんが価値観をアップデートしていく物語。正直なところ『おっパン』は、序盤イラッとくるシーンが満載でした。なぜなら、主人公の沖田誠(原田泰造)があまりにもデリカシーがなくて、古い常識や偏見で凝り固まっているから。だって、今の時代に「お茶は女性が淹れてくれた方が美味しいだろ!」とか言っちゃうんですよ。たとえ思ってたとしても、口に出したらあかんやつ。
それでも、誠は価値観をアップデートすることを決意しました。引きこもりの息子の気持ちを理解するために、二回り以上年下のゲイの友達まで作って、変わろうとしている。そんな姿を見ていると、誠の気持ちも分からなくもないなぁ……と思えてくるんです。だって、誠が生きた時代は、仕事は鞭を打ってでもやるものというのが常識だったわけだし、いきなり令和の“普通”を押し付けられたら困惑するのも無理はないのかなって。
宮藤官九郎さんもドラマの公式コメントで「不適切に不適切を塗り重ねて生きてきた世代にとって、日々アップデートを強いられる令和はなかなか生きづらい」とおっしゃっていましたが、まずは昭和の価値観を理解することが大事なのかもしれません。そして、お互いがすり寄せられる妥協点を探していくことこそが、真のアップデートなのでは? と思わされました。
「今の時代にそんな発言しやがって」とイラッとくることもあるけれど、おじさんたちはおじさんたちで戸惑いながら頑張って令和と戦っている。『不適切にもほどがある!』も観終えたあと、ちょっぴりおじさんたちに優しくしてあげようと思えるような。そんな温かいドラマになる予感がします。
前回記事「【おっさんずラブ】春田(田中圭)が続編でもやっぱり可愛すぎ!文句が文句に聞こえない“愛され力”を分析してみた」はこちら>>
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