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死ぬまでの12年間、理想の生き方・過ごし方は? 予防医療最前線はパーソナライズされた対話と問診から

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知ってよかった! 旬のビューティ情報をお届けする連載。健康なくして美しさなしということで、今回は健康について。長生きするなら、健やかなまま過ごしたいとは誰もが思うこと。そのために40代から知っておくべきことは? 専門家に話を聞きました。

予防医療の最先端を担う慶應義塾大学予防医療センター。

今週のゲスト

高石官均(たかいし ひろまさ)先生
慶應義塾大学予防医療センター センター長/教授。 医学博士。
同大学医学部消化器内科大学院にて、炎症性腸疾患研究に従事。1999年よりテキサス州立大学、2001年よりバージニア州立大学へ留学。帰国後、慶応義塾大学病院包括先進医療センター、同大学腫瘍センターにて臨床腫瘍研究に従事。2013年腫瘍センター長を経て、2020年より現職。静かな中に情熱を秘めた語り口が印象的!

ナビゲーター

入江信子
ビューティエディター&ライター。ビューティアイテムを見極める慧眼とトラブル”回避ケア”のプロ。美容業界屈指の「年齢不詳」女性ゆえ、久しぶりの再会メンバーからは、いつも年齢を尋ねられてしまう!

藤本容子
ミモレ編集部エディター。ストイックな筋トレや美容医療を遠巻きに眺めて早○年。肌とボディのエイジングには、できる限りポジティブ&マイルド♡につき合っていきたい。

 


「健康に長生き」のカギは心と体の予防医療


藤本 今日は昨年11月に麻布台ヒルズに移転、開業した、慶應義塾大学 予防医療センターにお邪魔しています。ホテルみたいなラグジュアリーなスペースですねえ。

入江 確かに。こちらは一人ひとりに合わせたきめ細かい人間ドック=パーソナライズド・ドックで有名ですが、そもそもどのような施設なんですか?

高石 私達の予防医療センターは、「一人ひとりの人生と共に歩む医療を」をコンセプトとして、個別化した予防医療プログラムを行い、受診者の健康寿命の延伸を目指しています。誰もが、健康なままで長生きしたいのではないでしょうか。

藤本 寝たきりで点滴や胃ろうで何年も生きるのは、やはりご本人もご家族もツラいですよね。

高石 現在の日本では、「平均寿命」と「健康寿命」との差が、女性ではおおよそ12歳です。つまり最後の12年間は介護の必要が出てくるのかもしれません。介護がない状態を少しでも長くしたいと考えています。

入江 健康寿命を延ばすために大切なのが、予防医療ですね? 

高石 はい。初代医学部長・病院長である北里柴三郎先生の教えをもとに、あらゆる人々が生涯にわたって健康な生活を送ることのできるよう、病気にならないための「予防」と、病気を「未病」と呼ばれる超早期の段階で発見し治療を行う「未来型の予防医療」を追求しています。

入江 病気にならないようにするのが肝心というのは、よくわかります。