憎めるクズ男と、憎めないクズ男のちがいって?


これは、私の価値観かもしれませんが、なぜか許せちゃうクズ男って、女を騙してやろうとか、手玉に取ってやろうとか、そういう計算がないんですよね。バカだけど、本能のままに生きているだけっていうか。だから、浮気もすぐにバレちゃう。上手にやりこなせばいいのに、脇が甘いんです。脳ミソが、小学生から成長していない!

山田クソ男は、典型的なこのタイプだと思います。自分からアピールをしまくっているわけじゃないのにモテちゃうから、さらに罪深い。「だって、向こうから来るんだも〜ん」なんて困り顔をして、「だから、なんだよ! 断れよ!」と彼女に怒られている図が想像できます。第2話を観て初めて知ったのですが、モテるのに積極性を感じられない人って“いつも向こうから好きになられるから、好きになる暇がない”んですね。そんなこと言ってみてえ〜!!

ちなみに、最近のドラマだと『離婚しようよ』(2023年/Netflix)で松坂桃李さんが演じていた大志も同じタイプだと思います。一度、若い女の子にうつつを抜かして妻に叱られたにもかかわらず、また同じ過ちを繰り返そうとする。「もう、バカなの?」とツッコミたくなるようなクソっぷり。離婚することになり、弁護士に「なんで不倫をしたのか?」と聞かれた時も、「妻との関係が“む〜”って時に、女子アナに“おっ?”ってなって、“わ〜”ですよ!」とかふざけたノリで言っちゃう。

ムカつく。ムカつくのに、なぜか笑えるんですよね。浮気しても許されちゃう男性って、こういうタイプなのかもなぁと思いました。友達に相談する時とかも、ネタになっちゃうような。「また、あいつやらかしたの?!」って。

一方で、憎めるクズ男は、頭の回転がとにかく早い。憎めないクズ男がただの女好きだとしたら、こっちは女を舐めている! 例を挙げるとするならば、現在放送中のドラマ『アイのない恋人たち』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で福士蒼汰さんが演じている真和がこのタイプですね。

 

愛されるのが面倒くさいからといって、基本的に“3回会った女性とは連絡を絶つ”と決めている。やることはやるくせに、相手の名前も覚えていない。ふつう、「私の名前、覚えている?」と聞かれたら、嘘でも考えるふりをしたりするじゃないですか。しかし、真和の場合は「ごめん、時間ないんで」とそそくさと帰っていく。この女、めんどくせぇ。さっさと縁を切った方がいいな……と思っていそうな顔をして。

憎めるクズ男と憎めないクズ男、どっちもクズなことには変わりがないのだけれど、騙されるのなら後者の方がいいなぁと思ってしまいます。まあ、騙されないのがいちばんではありますが!

さてさて、山田クソ男が成仏するために(?)婚活に励んでいる綾子が、運命のパートナーと出会う日は来るのでしょうか。個人的には、なんだかんだで山田クソ男と結ばれるラストが見たいけれど……。もう、死んじゃっているんですもんね。一緒に温泉に行き、山田クソ男が成仏しちゃう! なんて展開も? このドラマに涙の展開は似合わないけれど、綾子のお相手には、素を見せられる山田クソ男がぴったりなのでは? なんて思ったりもしています。

八木勇征演じる“クソ男”が可愛くて沼すぎる!『婚活1000本ノック』から考える“憎めるクズ”と“憎めないクズ”の違いとは_img0
 

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