朝食:なし
昼食:ハイウェイカフェでアンドゥイエット&ポテト(写真)
夕食:鶏もも肉、油揚げ、クレソン入り温かい蕎麦
朝から田舎町での撮影を終えたあと、ハイウェイ沿いのトラックドライバー御用達カフェでランチ。セルフサービスの前菜+その日のメイン3種から一つ選ぶという男子っぽい(?)メニューになっており、私は大好きなアンドゥイエット一択で。
アンドゥイエットってご存知ですか? 豚の内臓肉(モツ)を詰めて作られたソーセージのことで、好き嫌いが分かれる一品ではありますが、私は大好き。新鮮な腸がないと作れないためなかなかお目にかかる機会がなく、メニューにあると必ず頼んでしまいます。
たまにモツの臭いが強いものもあるんですが、こちらのアンドゥイエットは本当に臭みがなくて絶品でした! 「モツはあんまり……」と言っていたコーディネイターさんも「美味しい!」と驚いていたほど。
そしてへとへとで帰った夜は、サクッとお蕎麦を食べてすぐ寝ました……。
農家の抗議デモに見る、フランス人の気概
たった一泊二日の田舎町撮影だったのですが、なんと両日農家の抗議デモに巻き込まれ、往復に通常の倍以上時間がかかってしまいました。
抗議デモは、燃料の高騰や増税、安い農作物の輸入、小売業者からの値下げ圧力などで、農家の人たちの生活が圧迫されていることによるもの。
実際、スーパーで売られている1本約1.50€の牛乳に対し、農家の人が得られる報酬は0.50€弱なんだそう。それでなくても昨今の物価高。農家の人たちが苦しい生活を強いられていることは明白だと思います。
スペインなどのフランスより物価の低い国からの輸入が増加すれば、市場価格はますます安くなってしまう。でも安全な食を考えたら、なるべく距離の近い場所で取れる、新鮮なものを安心して(価格的にも)食せるようであるべき。そのためには、ある程度の国の保護は不可欠だと思うのです。
自分たちだけで出掛けていたら、往復時間は倍どころでは済まなかったと思うのですが、チャーターしたタクシー運転手さんがプロ中のプロで、知恵とインターネットを駆使し、高速道路の混雑を回避してくれたので本当に助かりました。そしてトラクターの列に会った際は、”bon courage!”(頑張って!)とデモ隊に声をかけ、クラクションを鳴らす彼を見て「おお……」と。
声を上げ、戦い続ける農家の人々の姿勢も当然だと思うし、例え自分たちに少し不便があろうとも、それをきちんと応援できる国民性もすごい。こうしてデモを見るたび、フランス人の気概にはとても感心させられるのです。
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心満たされるパリの暮らし』
著:井筒麻三子 写真:Yas
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前回記事「1月フランスの風物詩! 幸せを運ぶケーキ「ガレット・デ・ロワ」を何台も食べる日々【パリ在住・井筒麻三子さんのおうちごはん日記】」はこちら
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