——上のお子さんが保育園の4歳児クラス、下のお子さんが2歳児クラスに入った4月にお仕事に復帰されたんですね。お仕事に復帰してからのことを教えてください。

上の娘が小学校を卒業する直前までは時短勤務です。復職当時は朝、娘を療育に預けてから11時出社。退社は17時で18時前には帰宅していました。

娘は10時から療育施設で過ごし、給食を終えてから毎日、ヘルパーさんと一緒に保育園まで通いました。ちょうどお昼寝が終わるころに通園するので、おやつから参加。娘の負担を考えて、17時にシッターさんや祖父にお迎えに行ってもらい、18時ごろには帰宅。その時間には私も家にいて、娘を迎えられるようにしていました。

娘が安心して過ごすためには、毎日同じ生活を繰り返すということがとても大事で……意識して毎日、同じ生活リズムを積み重ねていったのです。

 


—— 復職となると、それまで以上にヘルパーさんやご両親のなどのお力が必要になりますよね。


そうなんです。療育施設と保育園は徒歩圏内だったとしても、ヘルパーさんに送迎をお願いしないといけません。

障害者総合支援法に基づく「地域生活支援事業」の移動支援制度を利用し、事業所を探します。移動支援事業は、育児と仕事を両立していくうえで肝になるのですが、自治体ごとに予算も運用方法も違います。学校や保育園や放課後等デイサービスへの送迎は対象外のところもあり、親たちは非常に苦労します。移動支援は公共交通機関か徒歩の利用になりますが、電車やバスに乗ることができないお子さんもいます。

フィンランドでは、親の負担ゼロで、タクシーなどでも登校できるようになっていると聞きます。財源の問題もあり、同じようにすることは厳しいですが、自力で登校や下校ができない子たちのためにも、国が事業化し、どの自治体でも最低限の共通の基準を設け、障がいのある子の移動の保障をしていただけるとどんなによいかと常々思います。