料理ほどクリエイティブなものはない!
20代から多忙を極める安藤さんですが、食べることが大好きで、「食」は生き方の原点ととらえ、キッチンにも立ち続けてきました。
「どうせ食べるなら美味しいものを食べたい。食を無駄にしたくない。という思いがあります。もちろん忙しくて自分で作れないこともあるけど、テーブルセッティングや器だけでもちゃんとしたい。また、人のために料理を作るのも大好きで、親しい友人を招いて料理をふるまい、一緒に語らう時間が何より大好きです」
『アンドーの今もずっと好きなもの。』では、安藤さんが日頃から作っている料理の数々が紹介されています。中には、アボカドをスライスして、ごま油とラー油をまわしかけただけ、というシンプルなものも。
「これは、『こんなに美味しい食べ方があったんだ!』と驚くほど最高! 本ではフードコーディネーターさんにも協力していただいて、分量を書いていますが、普段は目分量。“料理はライブ”だと思っていて、いつも直感。同じ味は作れません。でも、料理は何をやってもいいんですよ。アイスクリームを天ぷらにしちゃう人もいるくらいで、料理ほど自由でクリエイティブなことはありません。私は手先がそんなに器用じゃないから、自分で作り出せるのは料理くらい。自由な発想が許される、自分の時間はめちゃくちゃ楽しいです」
また、紛争地や被災地など、過酷な現場を目の当たりにしてきたからこそ、何事もない日常の尊さも感じています。
「当たり前の日常が一瞬にしてぶち壊されてしまう現場をたくさん見てきました。それだけに、日常の中で食べることができて、しかも、『何を食べようか?』と選択肢があるのは、感謝すべきことだし、無駄にはできないと思うんです」
60代も後半戦に突入する安藤さんですが、歳を重ねることや、将来への不安はあまりないとのこと。
「私ってあまり計画性がない、というよりは無計画。何歳までにこうしようとか、考えたことがありません。それがかえってよかったのかなと思っています。計画性がないから、与えられたことに日々向き合うことしかできない。先のことはわからないけど、目の前のことをできる限り続けていきたい、というくらいの気持ちしかないんです。トレーニングで、自分で自分の体をコントロールできているという意識も影響していると思います」
当たり前の日常に感謝して、目の前のことに向き合う。安藤さんの生き方は、真っ白なTシャツとデニムのようにどこまでもシンプルで、美しい。
インタビュー前編
報道キャスターが、60代で人気インスタグラマーに!安藤優子さんの、「今もずっと好きなもの。」を培ったもの>>
『アンドーの今もずっと好きなもの。』安藤優子 (著)
1430円 宝島社
ジャーナリスト・安藤優子の「おしゃれのセオリー」と「日々の料理のこだわり」を余すところなくご紹介。
長年、数多くのメディアで色々と紹介をしてきましたが、その集大成となる一冊です。
なんと、今回はすべて安藤さんのオール私服&セルフスタイリングで登場。
ユニクロやZARAなど、ファストファッションの安藤流コーデ術は必見です。
さらに、お料理ページもすべて安藤さんの手作り&オリジナルレシピによるもの。
合言葉は『だいたい&ちゃちゃっと』。台所にあるいつもの材料で作れる、お洒落で洗練された時短レシピを28品掲載しています。
“ちょっとした工夫”で日々のおしゃれも食事も『特別』なものに…。
そんな安藤さん流アイディアが詰まった一冊です。
編集・取材・文/𠮷川明子
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