毎日が「盆と正月」のような食卓をあらためる

毎日が「盆と正月」のような食卓をあらためる。ある医師が実践する、自然に沿った暮らし方_img0
写真:Shutterstock

「ハレ」というのは、お盆や正月、誕生日など、おめでたい日のこと。それに対して「ケ」とは、普段の生活である日常のことです。日本人は昔から、ハレの日には、豪華な食事を用意してお祝いしますが、ケの日々には質素な食事をするというように、けじめを大事にしてきました。「盆と正月が一緒にきたよう」という言い方がありますが、それくらい豪華な食事はまれだったわけです。

でも、昔の人から見た現代人は、盆と正月が同時にきているような食事を毎日しています。メリハリもない。これは、不自然な食べ方です。今や、多くの現代病は食べすぎ、飽食が原因です。いっぽうで、生活の格差がどんどん大きくなり、子どもの貧困の問題も深刻になってきました。今あるもの、とれるもので「足る」ことを知り、ハレとケのメリハリをつけることこそが、現代人に必要であり、根本的な解決につながっていくのではないでしょうか。

 

基本を大切にしながら楽しく、ゆるく続ける

わが家は、自然に沿った暮らしのなかで、もっとも大切な部分である「食」については、ごはんとみそ汁と漬けものを合わせた「基本の3点セット」を中心とする手づくりの食事を続けています。

もちろん、いやいや実践するのではなく、おいしい、楽しい、うれしい気持ちを大切にしながら、ゆるく続けています。というのも、いくらからだにいい食生活でも、「○○を食べてはいけない」「○○しか食べない」では、続けられるわけがありません。

みんな、おいしいものを食べたいですよね。でも、おいしいものにエネルギーをかけすぎたり、家庭でがんばりすぎたりすると原点を見失ってしまいます。お惣菜を買ったり、外食をしたり、ときにはハメをはずしたっていいのです。

自然に沿った食生活のベースさえしっかりできていれば、大きく崩れることはありません。むしろ続けるための糧になると考えています。

ファストフードを食べる人からも、わが家の料理がおいしいと言ってもらえるように、味にメリハリをつけます。和風にこだわらず、スパイスを使ったり、洋風のアレンジもしたりして楽しんでいます。

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『病気を遠ざける暮らし方 できることから、ひとつずつ。自然に沿ってゆるく生きる』
著者:本間 真二郎 講談社ビーシー/講談社 1760円(税込)

どのような生活が「自然に沿っているのか」を考え、自ら実践する本間 真二郎医師。できる限り人まかせにしない暮らしを目指し、食べ物、水、電気なども自給する暮らしを始めました。自然農で作った野菜を旬のうちにいただく、みそやしょうゆなどの発酵食品を手作りする、食卓に欠かせない手作りの“ごはんのおとも”など、真似したくなる食にまつわる知識やレシピも豊富に掲載。自然に逆らわないことで「病気を遠ざける」、ゆるやかな暮らしを伝える一冊です。


構成/金澤英恵
 

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