「公立校を見て回ったものの、娘が穏やかに過ごせそうな育ちの場が見当たらず、途方に暮れました。いてもたってもいられなくなった私は、子が5歳になると実施される地元の教育委員会の就学相談を待たずに、まだ娘が3歳だった時点で教育委員会の門をたたきました」
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「障がい児及び医療的ケア児を育てる親の会」という団体をご存じでしょうか? この会では、障がい児や医療的ケア児を育てながら、働き続けたい親たちが、ゆるやかにつながり、支え合っています。
障がい児や、医療的ケア児を育てながら働こうとする親の前には、両立を続けるためのハードルが幾重にも立ちはだかっています。子どもや家族の暮らしを守るため、この団体は行政や勤め先への働きかけを続けています。ケアの必要な子を育てている親も働き続けることができるよう、育児・介護支援制度を子の年齢で区切らず、障がいや疾患の状態に応じて配慮してもらえるよう、社会を変えようとしているのです。
この会の会長であり、朝日新聞社に勤めながら、重度の知的障がいを伴う重い自閉症の16歳の娘さんを育てていらっしゃる工藤さほさんへのインタビュー、第7回です。
第6回はこちら>>>【障がい児を育てながら働く⑥】4歳でようやく保育園へ。朝は療育施設、午後から保育園へ通う日々も綱渡りは続き...
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——4歳で認可保育園に入り、午前中は療育施設へ通所、昼食後に保育園という生活を始めたものの、保育園は5歳児クラスまで。その後は小学校になりますよね。
障がい児保育には、いくつもの壁が立ちはだかります。そのうちのひとつが、小学校入学時の壁です。
スクールバスに乗せてもらえなかったり、放課後の受け入れ先が見つかりにくかったり、入学以降に数ヵ月以上にわたる親の付き添いを求められたりするなどして、このタイミングで仕事を辞めざるを得ない方が少なくない、というのが現状です。
私の場合「育児休業中に、就学先や放課後の居場所もめどを立てておかないと、平日に仕事を休んで見学して回る余裕はない」と思い、療育施設で母子分離ができるようになってからは、あちこちの「公立の特別支援学級」や、「特別支援学校」や、「放課後等デイサービス(放デイ)」を見て回りました。
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