写真:アフロ

ミドル世代にとって「M·A·Cのコスメ」というと、「メイク好きが使うブランド」もしくは「若者向け」というイメージではないでしょうか。我々の10代から20代のころ常にポーチの中にあったM·A·Cは今年誕生から40周年。時短で綺麗になりたい今の40~50代に寄り添う製品も実は揃っているのです。まずは80年代からのメイクのヒストリーとともに、M·A·Cの名品を振り返ります。

M·A·Cの誕生は1984年カナダのトロント。メイクアップアーティスト兼フォトグラファーのフランク・トスカンとサロンオーナー、フランク・アンジェロが、撮影で納得できるクオリティのメイク製品を独自につくるようになったのがきっかけ。アーティスト発信ならではのリアルなトレンド感が個性と自己表現を後押ししてくれると注目され、プロのメークアップアーティストたちが使い始めたのがグローバルブランドへの序章です。

 


我々の青春時代の流行と
M·A·Cの人気アイテムは
見事にリンクしていました 


80年代 ポップカルチャー全盛期


バブル期に突入する、日本の好景気時代。雇用機会均等法が施行され、女性の就業意識の節目になりました。ボディコンに太眉、赤い口紅が流行。マイケル・ジャクソンやマドンナなど世界的なスターが次々に来日。

マドンナの『Like A Virgin』がリリースされたのが1984年。収録したアルバムは、アメリカ、日本をはじめとする世界11カ国でNo.1に。写真:アフロ 


 このときM·A·Cの大人気アイテムは…… 

マキシマル シルキー マット リップスティック ロシアンレッド ¥4620(※3月1日リニューアル新発売)

 

マドンナがコンサート時に使っていたと言われる伝説のレッドリップ。顔色が引き立つと現在も人気が継続し、今年3月にはリニューアル。鮮やかな発色はそのままに、オイルinマットのテクスチャーでなめらかな使い心地。




90年代 スーパーモデルが大人気


バブル崩壊後、憧れの対象が個性豊かなスーパーモデルに。ヘアメイク、ファッションだけでなくライフスタイルにも注目が集まりました。

1990年代のスーパーモデルの一人、シンディ・クロフォード。写真:アフロ


 このときM·A·Cの大人気アイテムは…… 

リップペンシル スパイス ¥3630
リップガラス クリア ¥3740

 

雑誌VOGUEや世界のファッションショーに加え、プライベートスナップでも見られたスーパーモデルのベージュメイク。リップペンシルはリップと同系色の赤やピンク、というそれまでの常識を覆し、ヌーディなリップをブラウンのリップペンシルで縁どるメイクが大流行。

リップガラスはこんなにリップがピカピカになるなんて見たことがないと思わせる唯一無二のアイテム。(現在もこれ以上にツヤツヤになるものはないのでは?)




98年 ついにM·A·Cが日本上陸!
 


 おしゃれな人はみんなM·A·Cを持っていた! 

「リップペンシル スパイス」「リップガラス クリア」および小麦色の肌を作るファンデーションなども大人気に。すべてのコスメをM·A·Cで揃える人も多く、カウンターには長蛇の列が絶えないことも。雑誌でもメイク特集が多く組まれ“おしゃれな人はM·A·Cを使っている”という現象が巻き起こりました。




2000年代中盤 ギャルブーム


世界中がリーマン・ショックの打撃を受ける時代に突入。ヘアメイクからトークまで、ギャル発信のものが注目の的に。そのトレンドにギャルとは縁遠い大人も影響を受け、109に買い物に行ったり、カラコンやつけまつ毛も浸透しました。

小麦肌にアイラインとマスカラで目の周りを黒く囲み目力アップ。チークはオレンジやベージュ系が流行りました。クールな印象が素敵な黒木メイサ。写真:アフロ


 このときM·A·Cの大人気アイテムは…… 

スモールアイシャドウ カーボン ¥3300
スモールアイシャドウ テンプティング ¥3300

 

マットブラック、カーボンで目を囲み、テンプティングでキラキラさせればアイメイクはいい感じに完成してしまうという現在も定番の2品。ふんわりとしたテクスチャーも気持ちよく、少量でもしっかり発色。肌なじみもよく崩れにくいのでコスパも良し。今でもリピートする人が多いロングセラー。




2010年代 第二次・第三次韓流ブーム


「イクメン」「女子会」など今では普通に聞かれるワードが誕生したころ。AKB48などのアイドル人気にのりきれない女性たちはK-POPに夢中に。韓流ドラマ人気も再燃し、オルチャンメイクも流行しました。

写真:Shutterstock


 このときM·A·Cの大人気アイテムは…… 

ストロボクリーム ¥6050

 

ウルっとしたつやつや肌を簡単に作ることができるハイライト、下地としてストロボクリームが大人気に。ピンクライトが一番人気で雑誌などで紹介されるたびに店頭から品切れする現象に。




2010年代後半 
メイクでナチュラル、ヘルシー顔を作る時代に!

 

スマートフォンが一気に普及し、SNSが影響力をもつ時代に。ナチュラルかつSNS映えも叶えるハイライト、ふわっと赤ちゃんみたいな血色チークが人気になりました。

写真:Shutterstock


 このときM·A·Cの大人気アイテムは…… 

M·A·C ミネラライズ スキンフィニッシュ ライトスカペード ¥5940
M·A·Cミネラライズブラッシュ デインティ ¥4950

 

引き続き発光肌が人気。どんな色みのメイクにも使えて、みずみずしいツヤを生むライトスカペードと健康的な血色感を作るディンティがメイクの定番的存在に。

 

私たちのメイクヒストリーはいかがでしたか。それぞれメイクアイテムを手に取った時代は違っていても、いつも私たちの憧れコスメだったM·A·C。青春時代の流行とM·A·Cの人気アイテムは見事にリンクしていました。

日本で人気だったアイテムはすべて現在も販売中。(※マキシマルシルキーマットリップスティックのみ3月1日よりリニューアル発売。オンラインでは2月26日先行発売)一周まわって80年代、90年代の人気アイテムが新鮮に見えて、また使いたくなってきました。

後編はM·A·Cのメイクアイテムで読者モデルが今っぽく変身します! お楽しみに!


取材・文/中田ゆき
構成/國見 香