人生をかけて愛する相手は、恋人やパートナーだけとは限らない
映画のタイトルにもある通り、ミソとハウンはまさにソウルメイトと呼べる関係。ソウルメイトとは一体何なのか、本作を通じてあらためて考えました。
ミソとハウンは、性格も価値観も育った環境も全く異なります。家庭環境が複雑だけれど自由奔放に生きるミソと、家族に愛されて育ちながらも型にはまった人生から抜け出せないハウンは、お互いの欠けたところを補い合うような存在。
どちらかに恋人ができたことで摩擦が生まれたり、大人になって生じた価値観の違いで衝突したり、見栄を張って嘘をついたり……。女の友情にはよくありがちな局面にぶつかりながら、一度は疎遠になってしまいます。
しかし根底にある2人の心の結びつきはとても強く、確かなものでした。
本作は、単に女同士の友情をテーマにした作品ではありません。友情という言葉だけで片付けてしまうのは惜しいほど、強くて揺るぎない2人の結びつきを描いた“愛の物語”だと感じました。
ハウンは忽然と姿を消してしまうのですが、実はミソとハウンは秘密を共有しています。その秘密は終盤で明らかにされ、2人の絆に驚かされるのです。
2人の生き方を見ていると、人が人生をかけて愛する相手は必ずしも恋人やパートナーだけじゃない。それが友人という存在だっていいんじゃないか……と思わされます。
愛にはいろんな形があって、それは男女や家族のあいだのものだけではないのだと気づかされます。
ミソとハウンを見ていたら、ふと自分自身についても考えました。若い頃は、恋人や結婚相手がいないのはとにかく寂しいことのように感じていたけど、私の場合、人生の大ピンチの時そばで支えてくれたのは結局、女友達だったなあ……なんて最近思うのです。
映画の中で「太陽が輝けるのは影があるからだ。一つにはなれないけど、遠くに影があることで太陽は寂しくない」という一節が出てきます。不完全な部分をお互いに埋め合うような、そんな関係を「ソウルメイト」と呼ぶのかもしれません。
大人になって疎遠になってしまった友人は大勢いるけれど、ひさびさに会うと、心の結びつきをじんわりと感じることがあります。
生活環境も仕事も人生のステージも全然違うのに、不思議と呼吸が合う感じがする友達。ソウルメイトと呼ぶには大げさすぎるかもしれませんが、そういう相手に1人でも出会えたら、人生って十分幸せなのかも。そんなふうに感じたのでした。
映画『ソウルメイト』は、2月23日(金・祝)より全国公開。これを観たら、あなたも古くからの女友達に無性に会いたくなるかもしれません。
構成/山本理沙
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