ある程度整理はできているものの、まだまだ理想のクローゼットには程遠い私、エディター堂坂が素敵な人のクローゼット取材を通して、自分らしい服との付き合い方を探っていきます。第一回はコンサルタントの仕事をしながら、YouTube「フランス流シンプルシックな暮らし」で発信する、少ないワードローブで作るエレガントなスタイルが人気を集めるKatieさんがご登場!衣替え要らずのクローゼットの作り方をお聞きしました。

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Katieさん
20代で欧州の現地企業に就職。その後、仕事で日本とフランスを行き来する生活から、「自分の好きなこと、大切にしたいこと」をテーマにフランス流のシンプルシックな心地良い暮らしについてYouTubeで発信。中でも、自分にとって本当に価値があるものかを見極め、選んだものと共に生きる哲学が話題となる。初の著書『年齢を重ねるのが楽しみになる フランス流のもの選び』が発売中。
YouTube @katie.simplechic

 


オールシーズン22着!衣替え要らずのワードローブに至った理由とは?

人気YouTuberが教える「衣替え要らずのクローゼット」の作り方とは?【50代 オールシーズン22着】_img0
ここに写っているのが現在のほぼすべての服。白シャツ、ブラウス類、ジャケット、ワンピース、パンツ、スカート、コート。これに加えて引き出しの中にパンツが2本あります。朝起きたとき、夜寝る前に物たちに挨拶をするのが日課です(笑)。(Katieさん)


——YouTubeで紹介されている、服の数は少ないのに華やかでエレガントなスタイリングがとても素敵です。現在の厳選されたワードローブに至ったきっかけを教えてください。

「実は20代の頃は妥協した買い物を繰り返していた時期もあったんです。でも30歳くらいのとき、もう本当に欲しいものを手に入れるまでは余計な物は買わない!と決意して、それぞれのカテゴリーで自分の一番を詰め込んだ“欲しいものリスト”を作りました。例えばショルダーバッグならマトラッセ、大きめのバッグならバーキン35という風に。それが自分にとっての転機でした。

そこから欲しいものリストのアイテムを10年かけて少しずつ揃えていく中で、だんだんとものとのパートナー感が強くなっていきましたが、20代の頃、“これは憧れだけど今は買えないな”と思いながらどこか妥協して買っていたときは、やはりものに対してそんなに強い思いは生まれなかったです。どこか間に合わせを使っているなという気持ちって隠せないんですよね。

今はあの頃リストに書いた欲しいものが全て揃ったので、もはやものというより家族という感じです。でも、元からそうだったわけではありません」


欲しいものリストの作り方はこちらの動画で詳しく紹介しています。(Katieさん)

——衣替えなしのクローゼットは昔からですか?

「いえ、以前はそれなりに衣替えをしていました。こんなに持ちものを厳選したのも、30歳のときに欲しいものリストを作ってから。自分の心に目を向けて、“私にとっては要らないな”と精査していったら自然とこの数になりました。以前は冬しか着ない服を持っていたり、自分の持ちものを把握できてないときもありました。衣替えのタイミングで、“私、こんな服持ってたの?”とか(笑)。

衣替えって元々は着物の素敵な文化で、それ自体が悪いというわけではなく。私の場合は一着一着を使い切りたいという思いがあって、結果的に衣替えをしないスタイルに行き着いたという感じです。今は22着くらいですが、数も何着って決めているわけではなく、実はルールがありそうで全然ないんです。気に入ったものがあれば買う、ただ気に入るポイントがものすごく狭いという(笑)」


——クローゼット作りで大切にしていることは何ですか?

「素敵な服を着たら背筋が伸びたり、仕事に自信を与えてくれたり。私は服やバッグなど、持ちものすべてが自分の家族、心強いパートナーだと思ってるんです。なのでクローゼットは家族のベッドを用意するように、ワードローブにとって心地よい場所を作っている感覚で作っています。
ものってやっぱり“気”が宿ると思うんです。見て見ぬふりをすることもできるけれど、私は一つひとつに心があるように感じるので、毎日「おはよう」「ただいま」「今年もよろしく」なんて声をかけています(笑)。

今のクローゼットは部屋の一つをクローゼットの部屋として使っています。昔からエストネーションやストラスブルゴのようなセレクトショップが好きで、そんな上質で気分の上がる空間を自宅にも作りたかったんです。自分専用のセレクトショップという感覚で、服も靴やバッグもあえて見せるようにディスプレイしています。

ディスプレイしているのにはもう一つ理由があって、仕舞い込んでしまうとどうしても使う頻度が下がってしまいますよね。どんなに高価なものでも、使ってこそものの価値が生かせると思うので、あえて表に出していつでも気軽に取り出せるようにしています」

 
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