前回に引き続き、フランス流のシンプルシックなファッションについて発信するYouTubeが大人気のKatieさんにインタビューをしました。日本とヨーロッパを行き来する生活から見出した、Katieさん流のモノとの付き合い方とは?今のスタイルに至ったきっかけ、買い物の仕方、トレンドとの付き合い方についても教えていただきました。
前回記事
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欧米マダムのような、ブランドが前に出ない装いが理想
——Katieさんのシンプルシックなスタイルの原点となったきっかけを教えてください
「20代の頃にパリの公園で一人のマダムを偶然お見かけしたんです。真っ白なスーツをサラッと着こなして、傍らには使い込まれたエルメスのバーキン。そのマダムとは言葉を交わすことも、その後お会いすることもありませんでしたが、その佇まいがあまりにも衝撃的で、今でも私の憧れです。
前回の記事でもお話しましたが、30歳の頃、もう妥協した買い物を繰り返すことを辞めたくて、一生愛せる“欲しいものリスト”を作り始めたのですが、そのときに真っ先に理想として浮かんだのが、そのマダムの姿でした。
20代をヨーロッパで過ごして、30代もヨーロッパと日本を行き来しながら仕事をしているうちに、欧米マダムのようなシンプルでエレガントなスタイルがやっぱり好きなんだと思うようになって、少しずつ持ち物を理想のアイテムに差し替えていくうちにそれが自然と自分のスタイルになっていった感じです」
——Katieさんはバーキンのバッグも普段使いされていると伺いました
「YouTubeを始めて、レザーのバッグが傷つかないためにどうしていますか?といったコメントをいただくようになってから気づいたのですが、私は物が経年変化していくことが好きなので、傷なんて気にせずどんどん使っちゃうんです。
日本ってやっぱり衛生の概念が海外と違うので、大事にする=綺麗、ピカピカと思われがちですが、ヨーロッパだと逆にピカピカな方が恥ずかしいんですよね、いかにもブランド品持ってます、みたいな。それこそジェーン・バーキンみたいにバッグが体の一部のようになるには、相当使い込まないとなれないので、私はシーンを選ばずどこへ行くにも使っています。
ブランドのバッグが前に出ているというより、その人の一部になっているような人がヨーロッパのマダムには多いんです。あの人素敵だなと思って、そのあとにバッグに目を向けると、かなり使い込まれたエルメスやシャネルのものだったり。マダムたちはただ公園で佇んでいるだけだったりするんですけど(笑)。
体の一部になるくらい使い込むためにはアイテム数をかなり厳選しないとそうならないので、今私が持っているバッグの数でも多いくらいだなと思っています」
——メンテナンスを大切にするのも、ヨーロッパでの暮らしの影響でしょうか?
「20代の頃過ごしたフランスのメンテナンス文化の影響は確かにあると思います。古いものや使い込んだものの方がむしろ良いという考え方が、私が元々持っていた価値観にすごく合っていました。究極のめんどくさがり屋なのに、昔からアイロンがけと靴磨きがなぜか好きで(笑)。自分の持ちものに愛情があるので、洗ってアイロンがけをしてクローゼットに戻すというルーティーンが自然とできました」
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