作家・ライターとして、多くの20代~40代の男女に「現代の男女が抱える問題」について取材をしてきた山本理沙。その赤裸々な声は、まさに「現実は小説より奇なり」。社会も価値観も変化していく現代で、結婚についての悩みは非常に多いようです。
今回取材させていただいたのは、夫が知らぬ間に婚外で2人も子どもを作っていた(2人の若い浮気相手にそれぞれ1人ずつの子ども)という、にわかに信じがたい楓さん(仮名)のお話。元々はとにかく真面目で仕事一筋、女性にも興味がなかったという夫。その変貌のきっかけは驚くべきものでした……。
楓さん(仮名)47歳
職業:専業主婦(元看護師)
家族構成:夫、大学生の娘
家庭の外に2人も子どもを作った夫。その理由
「驚かれるかもしれませんが、夫に悪気は一切ないんです。たぶん、若い女性と家庭外に子どもを2人も作ったことを、浮気ともパパ活とも思っていないはずです」
婚姻関係を結んでいる妻以外に、2人の女性とそれぞれ子どもを作ってしまった夫がいる。相手はいわゆる「ラウンジ嬢」と言われる水商売をしていた女性たちで、楓さんよりもひと回り以上年下。
夫は本妻である楓さんを含めて、現在3家族を養っている状態だそうです。
取材前の段階では、この夫はどれほど女好きの男性なのだろう、妻はどれだけ苦労しているのだろう……と思っていましたが、楓さんの口調は少し投げやりではありつつも、その表情は穏やか。我が子のいたずらを語るような雰囲気すらあり、面食らってしまいました。
「もちろん、私は許しているわけでも、受け入れているわけでもありませんよ」
こちらの反応を察したかのように、楓さんは少し慌てた様子で付け加えます。
「普通ではありえないですが、しかし夫は夫なりの『正義感』で非嫡出子(婚姻関係の男女の間に生まれた子ども)を作ったそうです。さらに、できるならもっと子どもが欲しいんだそう。相手は産んでくれるなら誰でもいいみたいです」
最近世間を騒がせているゴシップに近い。正義感の意味がわからず、なんて恐ろしい夫が現れたんだと絶句してしまいましたが、次に楓さんの口から飛び出したのは、筆者の斜め上を行く事情でした。
「夫は……『日本の少子化を止めたい』と本気で考えているんです。そのために人生をかけて社会貢献してきたのに、自分の家庭に1人しか子どもがいないのはやるせない。私が産まないから他で頼んだと。何を言ってもその一点張りで。
詭弁でも屁理屈でもなく本気なんです。悪気や悪意がゼロなら罪悪感もゼロのようで、夫は私にそれを隠しもしないし、何を言っても聞く耳を持たないんです」
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