とどまることを知らない韓国ドラマブーム。
当記事は、ライター・小澤サチエが、韓国俳優やドラマの魅力を語ります。
韓国ドラマの中で特にヒットしやすいジャンルのひとつが、復讐系ストーリー。
例えば、韓ドラブームの火付け役でもある『梨泰院クラス』は、復讐系ドラマの代表と言って良いかもしれません。
韓ドラにもトレンドというものが存在しますが、ドラマティックな展開で視聴者の心を揺さぶる復讐ドラマは、時代に関係なくヒットするジャンル。
昨年は、学生時代に壮絶ないじめにあった主人公が、いじめっ子たちに容赦ない復讐をしていくドラマ『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』が大ヒット。
そして最近も、パク・ミニョン主演の『私の夫と結婚して』が大きく話題となったばかりです。不倫をしていた夫と親友に殺された主人公が、過去に戻って復讐をしていくという展開で、思いっきりスカッとさせられました!
他にも数えきれないほどある復讐系韓国ドラマ。今回は、おすすめの3作品をピックアップしました。
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殺された主人公が転生したのは……ソン・ジュンギ主演『財閥家の末息子〜Reborn Rich〜』
2022年11月〜12月に放送され、大ヒットを記録したソン・ジュンギ主演の『財閥家の末息子〜Reborn Rich〜』。
財閥スニャングループに忠誠を尽くし、秘書として献身的に働き続けてきた主人公ユン・ヒョンウは、あっけなくグループから切り捨てられ、殺されてしまいます。ところが目を覚ますと、そこは1987年。しかもヒョンウの魂が乗り移ったのは、スニャングループ会長の孫、チン・ドジュンの体でした。
財閥家の末息子として生まれ変わったヒョンウは、スニャングループへの復讐を誓い、大逆転を企てていく……というストーリー。
『私の夫と結婚して』もそうでしたが、過去への転生と復讐を掛け合わせた激動の展開と、サスペンス要素もたっぷり含んだ緻密なストーリー構成が非常に面白く、一気見してしまいます。
タイムスリップする先が1987年という時代なのも見どころのひとつ。1987年は、ソウルオリンピックを翌年に控え、韓国では民主化宣言がされた年でした。チン・ドジュンの成長を見守りながら、時代が実際どのように変化してきたのかを一緒に見ていくうちに、懐古心を刺激されます。
一度目の人生では貧しさから多くの物を失ったヒョンウが、財閥家の末息子として転生。二度目の人生では、自分が知る未来に関する記憶をうまく利用しながらスニャングループの後継者争いに加わり、次々と親族たちを蹴散らしてのし上がっていく展開は、まさに痛快。
ソン・ジュンギの演技も素晴らしかったですが、最もインパクトがあったのが、スニャングループの会長チン・ヤンチョルを演じたイ・ソンミンの風格あふれる演技。昨年の百想芸術大賞では、男性部門の最優秀演技賞を獲得しています。
印象に残ったのが、主人公ヒョンウとチン・ヤンチョル会長の関係性。復讐系ドラマだと、主人公とわかりやすい悪役を出し、単純な対立構造を描いた作品が多い中、ヒョンウとチン・ヤンチョルは少し異なります。単なる対立関係ではなく、競い合う中で絆が生まれていく2人の特別な関係が、ドラマをさらに面白くしているように思いました。
さて、本作はソン・ジュンギの『ヴィンチェンツォ』以来の主演作品だったのですが、彼の演技を見て、「やっぱりソン・ジュンギって魅力的だなあ……」としみじみ感じました。
そんな素敵なジュンギですが、ドラマ終了後に再婚してしまいましたね……。電撃報道に驚いた人も多かったはず。世紀のカップルとまで言われたソン・ヘギョとの離婚を経て、ついに再び掴んだ幸せ。
『財閥家〜』のドラマの中でも転生からの大逆転劇を見せてくれましたが、今回の再婚で、私生活でも大逆転を遂げたと言えるのかもしれません。
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