大阪中之島美術館で開催中の「モネ 連作の情景」(〜5月6日まで)。人気の展覧会とコラボしたもうひとつの“100%モネの世界”が、美術館から徒歩約10分のリーガロイヤルホテルで楽しめます。
キュレイター、アートライターの林綾野さんの著書『モネ 庭とレシピ』のレシピをもとに、リーガロイヤルホテルのシェフがアレンジしたメニューも登場します。
タラのブイヤベースはセザンヌ風?
お気に入りの料理をレシピノートにまとめていたモネ。その6冊のノートからジヴェルニーの食卓を再現したのが『モネ 庭とレシピ』です。その中のひとつ、「タラのブイヤベース」には“セザンヌ風”というサブタイトルがついています。
南仏・エクサンプロヴァンスに暮らすセザンヌを、モネはルノワールと一緒に訪ねていました。「たびたび、南仏へ制作旅行にも出かけていたモネが、その際このレシピに出会ったのでは?」と林さんは想像しています。
ブイヤベースに「ねぎ」を入れることは、通常はないそうですが、モネのレシピには入っています。今回のメニューではそのレシピを生かして、焼き目をつけて香ばしくなったねぎが加えられています。
絶妙な火加減で仕上げられたタラやエビ、そしてねぎが美しく盛られているところに別添えのスープをかけていただくと、ひと口の中にいろいろな香りや味が混じりあいます。パレットの上で絵の具を混ぜ合わせ、キャンバスの上で色と色を響き合わせていたモネ。重層的な味わいは、そんなモネの絵へのこだわりにも通じます。
やさしく膨らむチーズのスフレ
「うまくふくらむまでオーブンを決して開けないように」。そんなモネの注意書きが残っているのがチーズスフレ。温かなオードブルとして、ひとり分ずつ小さなココットで供されたり、大きめのココットにたっぷり作って取り分けることもあります。
今回はモネのレシピをもとに、濃厚な味わいを軽い食感で味わえるようチーズエスプーマクリームでアレンジが加えられています。「濃厚なので、お酒とゆっくり一緒に味わうのがよさそうです」と、実際にいただいた林さんの感想です。
光差し込む母と子の食卓
今回の「モネ 連作の情景」大阪展で展示されている、モネの「昼食」。1868-69年の制作で、タテ231センチという大作です。モネの初期代表作で、今回の展覧会が初めての来日となりました。
明るい日差しが差し込む部屋で、スプーンを持つ子供はモネの長男ジャン。それを隣で見守る母親。そして手前の新聞の置かれた席が父親、つまりモネ用でしょう。卓上にはワインやパン、サラダや果物が並んでいます。モネが見て味わい、絵にも残した食卓を、今回のコラボメニューで追体験してみてはいかがでしょうか。
展覧会は5月6日まで
リーガロイヤルホテル(大阪)の「モネ 連作の情景」展コラボメニューは、それぞれ提供されるレストラン・提供期間が異なります。「レストラン シャンボール」「THE RAY」をはじめ、「オールデイダイニング リモネ」「メインラウンジ」「リーチバー」「セラーバー」でもモネの世界が楽しめます。
「モネ 連作の情景」レストランフェアの詳細は、公式サイトから確認・予約できます。問い合わせは、リーガロイヤルホテル(大阪)(06-6448-1121)まで。
展覧会情報)
「モネ 連作の情景」
東京で30万人を動員した展覧会が大阪へ! 国内外40館以上のモネ作品を厳選、モネの絵だけで構成する100%モネの世界から、革新的表現「連作」を生み出した過程に迫る。
会期:2024年2月10日(土)~5月6日(月・休)
会場:大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4-3-1)
開館時間:10:00~18:00(最終入場は17:30まで)休館日:月曜日(2月12日、4月1日、15日、22日、29日、5月6日は開館)
<書籍紹介>
『モネ 庭とレシピ』
林綾野・著 講談社・刊 1760円(税込み)
画家の食や暮らしを紹介する本で話題の著者による大好評シリーズ。こだわりの巨匠の庭をめぐり、お気に入り料理を再現。「食卓」「睡蓮の池」など絵画作品も19点収録。
構成/からだとこころ編集チーム
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