1981年の発売以来、多くの人に読み継がれている『窓ぎわのトットちゃん』。戦争の影に追われながらも「トモエ学園」でいきいきと過ごす子供たちの日常を描き、今なおみずみずしい感動を与えてくれる黒柳徹子さんの自叙伝です。国内だけで800万部以上、全世界では2500万部超の売り上げを記録し、「最も多く発行された単一著者による自叙伝」としてギネス世界記録にも認定(2023年12月)されました。
そんな前作から42年ぶりの続編として黒柳さんが書き下ろしたのが、『続 窓ぎわのトットちゃん』です。戦時下に「トモエ学園」を離れたトットちゃんが、家族とどんな日々を送り、生きる希望を見出していったのか——。今回はトットちゃんが思い描いた「夢」、そして「迷い」について特別にご紹介します。
第1回「常識に囚われないパパと、魔法使いのようなママ。“トットちゃん”がきらきらした瞳で見つめた両親の姿」>>
第2回「【続 窓際のトットちゃん】隙間風が吹く“リンゴ小屋”を素敵にリフォーム!疎開で知ったママの「環境適応力」」>>
映画『トスカ』を観て「オペラ歌手になる」ことを決意
東京大空襲によって北千束の家を後にし、青森に疎開したトットちゃん=黒柳徹子さん。その後、進学を機に再び東京に戻ったトットちゃんは、香蘭女学校で青春の日々を送ります。
学生時代のトットちゃんは「映画」に夢中になりますが、中でも強烈に印象に残った作品があったといいます。それが、情熱的な歌姫トスカと、画家カヴァラドッシの悲恋が描かれた、プッチーニ作曲の歌劇『トスカ』の映画でした。トスカの華やかな歌声に衝撃を受けたトットちゃんは、「オペラ歌手になる」という大きな夢を抱きます。
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