愛されるべきは外見か? 中身か?
『宇宙を駆けるよだか』(2018年)
容姿端麗でカースト上位なあゆみ(清原果耶)と、周囲から「ブス」と言われ続けてきた然子(富田望生)の身体が入れ替わってしまうところから始まる物語。あらすじを読んだときから、「天才か……?」と思いましたが、やっぱり面白かった。騙されたと思って、第1話だけでもいいから観てみてほしい! 原作漫画も最高です!
近年、問題となっているルッキズム。『宇宙を駆けるよだか』は、その本質を問いかけてくる作品だと思います。あゆみに好意を寄せていた男子たちは、美しいビジュアルがなくなったとしても、彼女を愛することができるのか? 中身が良ければ、外見が醜くても好きになることはあるのか?
また、あゆみ自身も、容姿に恵まれていることが当たり前だったので、恵まれていない側の気持ちを考えたことがありませんでした。然子の姿で、「わたしは、あゆみなの!」と言っても、誰も信じてくれない。それどころか、「ブスが変なこと言い出した」みたいな目で見られてしまう。
正直、あゆみの立場になって考えると救いようのない物語ですが、火賀(重岡大毅)だけは、第1話の時点であゆみと然子が入れ替わっていることに気づき、何かと手を差し伸べてくれる。この火賀が、もう最高なんですよ(泣)。重岡さんは、『溺れるナイフ』(2016年)の大友のような“とにかく良い奴”が本当にハマりますよね。良い奴に対する説得力がすごい!
また、清原果耶さんと富田望生さんの、瞳の表情だけで入れ替わっているのかどうかを視聴者に分からせる表現力も圧巻でした。W主演の重岡さんと神山智洋さんの、同じグループに所属しているからこそ出せる本当の友達のような仲睦まじさにも注目です!
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