よねさんには立派な弁護士になってほしい

――好きな登場人物、この先が気になる登場人物について教えてください。

CHIHOYAさん:まず、よねさんですね。最初にキュンとした、寅ちゃんの足のツボを押すシーンもいいですし、主人公と最初は仲が悪かった人が仲間になっていくってシチュエーションが私は大好きなので。最初に登場した時に絶対よねさんは仲良くなってくれると思って、見守っていたんですけど、予想通りにデレてくれたのが嬉しかったし、仲間になってくれて頼もしいなと思いました。よねさんは辛い過去を背負っているけれど、それをバネにして立派な弁護士になってほしいな、と思って観ています。


あとはみんな大好き轟くん(戸塚純貴さん演じる轟太一)。轟くんも初登場時から気になる存在でした。ずっと観ていたら、子どもにも優しく語りかけたり、すごくいい奴になっていきましたよね。毎回出てくるのが楽しみで、探してしまいます。轟くんも幸せになってほしいですね。


そして寅ちゃんのお兄ちゃん(上川周作さん演じる猪爪直道)も愛すべきキャラですね。「俺にはわかる」と言いながら何にもわかってない(笑)と思っていたのに、突然わかっていたり、妻の花江ちゃん(森田望智さん演じる猪爪花江)を大事にしてくれたり、しっかりしていなさそうなのに、実はしっかりしている。でもやっぱりしっかりしていないのか? といったギャップがいいですね。

寅ちゃんのお父さんの場を和ませるような感じもいいですし、甘いもの好きな桂場さん(松山ケンイチさん演じる桂場等一郎)もいいですし、もちろん優三さんも! みんな大好きですね。


――『虎に翼』は寅子も含めて女性の登場人物ももちろん魅力的なんですけれど、男性の登場人物もそれぞれキャラクターが立っていますよね。そして優しい男性が多い。

CHIHOYAさん:そうですね。あと、声優さんが出ていたりというサプライズなお楽しみもあったりして、毎回本当に見逃せないんですよね。
 

 


気になる"伏線"は雑踏の中の女性たち

――そんな『虎に翼』で、気になっている伏線やシーンはありますか。

CHIHOYAさん:伏線なのかはわからないんですけれど、序盤の寅ちゃんがはるさんから弁護士になる許しをもらって、「地獄への切符」六法全書を手渡された回で、寅ちゃんがはるさんとの待ち合わせ場所に歩いていく先や橋の上で、泣いている女の子や暗い表情をした女の人が写ったシーンがずっと気になっています。
あの時代の女性が虐げられていたり、辛い立場に置かれているのだというのが伝わってくるシーンでした。作中でこのシーンについての説明がないからこそ、かえってすごく気になるんですよね。

この先、寅ちゃんが「地獄の切符」で、弁護士か裁判官になっていった時、街にいる女性たちが明るい表情になっていくのが見られるのかなと思っています。


今も女性が活躍している社会かといえば、うーん、どうだろうと思うのですが、このドラマの序盤の時代よりは女性が活躍する場が増えているので、だんだんと女性の立場が変わっていく様子がドラマの中でも観られるのかなと楽しみにしています。

――その雑踏の中の女性たちの描写は、Xでも話題になっていましたね。あと、オープニングでもいろんな女性のイラストが出てきますよね。

CHIHOYAさん:オープニングといえば、寅ちゃんの手から出てくる「水」が作品のキーになっているというのも盛り上がっていましたね。 作中で「法律はたとえるならば綺麗なお水が湧き出ている場所」とか「雨垂れ石を穿つ」という言葉が出てきたり、水がキーワードなんだなと思いました。Xで皆さんの感想を読んでいると教わることが多くて、そういうのも楽しいですね。朝ドラの醍醐味だなと。


――そうですよね。オープニングでなんで主人公の手から水が湧き出ているんだろうと思っていましたが、ちゃんと作品の中での意味があるんだとわかった、あの憲法記念日の放送回は感動しました。 

CHIHOYAさん:そうですよね、だけど、私は朝リアルタイムで観られないことが多いので、それまではもうXを開かないようにして、見ないように見ないようにと思っています。大河ドラマもリアルタイムでは観られないのでなるべくXを開かないようにしているんです。

――やっぱりドラマを見てからXで皆さんの感想を見るという順番の方がネタバレにならないので楽しいですよね。

CHIHOYAさん:私のイラストもシーンやセリフをすごく細かく描いているので、なるべくネタバレにならないように、遅くアップするようにしています。
 

他に気になる今期のドラマは?

――今、大河のお話も出ましたけれど、今期のドラマで『虎に翼』の他に観ていらっしゃる作品はありますか。

CHIHOYAさん:もちろん大河ドラマ『光る君へ』は観ています。私はあまり大河ドラマはそこまで全作観ていないんですけれど、今回の『光る君へ』はすごい面白いと思っています。歴史は詳しくないんですけれど、観やすくて恋愛方面でドキドキする作品で好きです。


あとは、フジ系月曜10時『アンメット ある脳外科医の日記』。杉咲花さん主演ということでなんとなく観始めたら、優しい感じのストーリーで、私の好きな雰囲気だなと思ってイラストもちょこちょこ書いたりしています。


TBS日曜劇場『アンチヒーロー』も好きです。あれは朝ドラの『まんぷく』の萬平さん(長谷川博己さん)が出ている! と思って観たら、萬平さんがちょっと悪い顔をしていて話も面白くて楽しく観ていますね。


――最後に、感想絵を思わず描きたくなる「虎に翼」の魅力を教えてください!

CHIHOYAさん:登場人物それぞれに背景やエピソードがあって、ただの脇役という人がいない、全員魅力的なところですね。画面の端でも玉ちゃん(羽瀬川なぎさん演じる桜川家のお付きの玉)が勉強していたり、1話の中にいろんなストーリーが詰め込まれていて、毎回濃厚で贅沢な15分だなと思って観ています。

『虎に翼』は、法律や裁判を題材としているシリアスな話ですが、コミカルな感じに仕上げていて楽しくわかりやすい作品だなと思っています。
 

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次回の「SNSで見つけた『バズり人』さん」もお楽しみに!


構成・文/大槻由実子
編集/坂口彩
 

『虎に翼』で気になる”伏線”は、序盤のあの女性たち!朝ドラ感想絵をスマホで描き上げるCHIHOYAさん_img0
 

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