フリーアナウンサーの住吉美紀さんが50代の入り口に立って始めた、「暮らしと人生の棚おろし」を綴ります。

「裸でしか会わない」60代友人の正体がすごかった!更年期の心に元気をくれた人生の先輩の言葉【住吉美紀】_img0
 

これまでの恋愛や結婚について棚おろしをしてきたが、ここから少し、視点を自分自身に移したいと思う。自分という人間とうまく付き合っていくために大事なことは何か。一番と言っても過言ではないのが、心身の「健康」である。

もともと、人前に立ったり、声を使ったり、身体が資本の仕事のため、健康キープには気を使ってきた。特に、ラジオの生放送の仕事を始めてからは、一般論ではなく、自分の体に特化した健康メソッドを構築。しかし、メソッドが完成することはない。最近は毎年気候が変動し、体も歳と共に変わっていくため、常に手法のアップデートが必要で、研究を続けている。
 

 


そんな中、ここ数年変わらず私の健康を支えてくれているものがある。それは、銭湯だ。通い始めたきっかけは、たまたまラジオのトピックスで銭湯を取り上げたこと。結婚を機に、初めて東京の下町寄りの地域に暮らすようになった。もしかしてと思い立ち調べると、近くに良さそうな銭湯が。早速行ってみたら、すぐにハマってしまった。

実は、それまでの私はお風呂が苦手、完全なシャワー派。お風呂で温まった方が健康に良いと皆が言うが、どうもピンと来なかった。お風呂にしっかり浸かると必ずのぼせて、湯上がりの汗が止まらず、気づいたら逆に湯冷めして風邪をひいているケースが7割以上。それに加え、お湯を溜めたり、抜いたり、掃除したりが非常に面倒だった。

それがすべて、銭湯で解決した。通いの銭湯は水風呂もある。熱いお湯で温まった後、冷たい水風呂にざぶーんと身を沈め、のぼせを一気にクールダウン。いわゆる温冷交代浴。熱さと冷たさの刺激がたまらない。これを交互に何度か繰り返すと、湯上がりの不快なのぼせや発汗がない。広い湯船は脚も伸ばせるし、水量からくる水圧も心地よい。冬はポカポカ、夏はスッキリで、帰り道は言葉にならないほど爽快だ。

「裸でしか会わない」60代友人の正体がすごかった!更年期の心に元気をくれた人生の先輩の言葉【住吉美紀】_img1
銭湯帰りは1日で一番リラックスした気分

銭湯に通うようになって8年。今や欠かせない日課となり、定休日以外、週6で通っている。入浴ルーチンも分単位まで仕上がっている。脱衣所で45秒で服を脱ぎ、まず体を洗う。熱い風呂と水風呂3往復、それぞれ何カウントずつかも決まっており、共にストレッチのルーチンもある。上がって身体を拭いて服を着るのに2分で、毎日ピッタリ35分だ。

喉が渇いたまま帰宅し、お気に入りの岩手産リンゴジュースを冷えた炭酸水で割って、まるでビール好き人間のあの瞬間のように、手を腰に当て「ぷふぁ!」と喉を潤す。最高である。これで、酷く疲れた日も、だるさが抜けない日も、麗しく体調が整う。夜に銭湯が待っていると思えば憂鬱な日もがんばれる。銭湯がない海外にはもう住めないかも、というのが唯一の悩みだ。

そして、肉体的心地よさ以外にも、銭湯が私の特別な場所になっている理由がある。それは、裸の付き合いの「銭湯友達」の存在。比喩的にではなく、本当に文字通り、裸でしか会ったことのない友人だ。