—— 毎朝の送りがあると、就業時間までに出社するのは難しい、だから時短勤務制度を利用して復帰されたのですね。

娘を特別支援学校に送ってから、私が会社に着くのは早くて10時半でした。夕方は18時に放課後等デイサービスが終わるため、17時には退社しないといけません。そして当時、会社の時短勤務制度は子どもが小学3年生になるまでしか利用できませんでした。

娘の場合、小学4年になっても同じ状況が続きます。そのため、4年生以降も短時間勤務を継続できないと、仕事を続けることは困難でした。
 

 


—— 小学校4年生以降も時短勤務制度を利用したい。でも当時、そういった制度が会社になかった……。

人事や労務の窓口の方々も、社内の制度を最大限活用できるよう、規則を読み込み、私に助言をしてくれました。しかし、会社の育児支援制度は健常児の育ちを基準にできていたため、障がい児の親が利用するにはいずれ限界が生じます。そのため、社内に“一歩先”をいっている先輩ママはいないか、探し続けました。

—— 同じような状況で働き続けている方はいらしたのでしょうか?

人づてに、社内にも発達障がいや知的障がい、難病の子を育てつつ仕事を継続している親たちがいることがわかりました。そういった方々にコンタクトを取り、どうやって仕事と育児を両立しているのか、お昼休憩を利用して話を聞きました。

以前から知り合いだった同僚のお子さんもそうだった……ということもありました。自分のことを話すと、実は私もと心を開いてくれる人もいました。

しかし、特別支援学校に子どもを通わせながら働いている、重度の障がい児を育てながら両立させている母親に出会うことはできませんでした。