—— 仲間を探す。それ以外に、どのような行動をされましたか?

仕事に慣れてきてからは、社内にある労働組合の部屋を訪れ、個別に障がい児育児との両立の相談にのってもらいました。

朝日新聞労働組合は、管理職をのぞく社員が任意で参加しています。執行部の役員は、職場から選ばれた組合員の中から選ばれ、委員長や書記長などは労組の専従となります。賃上げや労働環境の改善を社員が会社に働きかけるときの窓口になる組織です。

2013年には、社内で「小学校3年生まで」と周知されていた、内閣府が配布しているベビーシッター割引券の利用について、障がいや疾患のある子の場合は小学6年生まで利用できることを確認できました。当時の労働組合幹部が、方々当たって確認してくださったのです。

当時は娘も小学6年になるころには、きっと成長して自力で登下校できるようになっているかもしれないと、根拠のない淡い期待をしていました。娘の障がいについての私の受容が浅く、理解が不足していたなあと、今は思います。娘の場合、知能指数はほぼ変わらず、健常児との差がどんどん開いていくと、高校2年生となった娘を見て思います。

<改正育児・介護休業法成立>【障がい児を育てながら働く⑫】「何としても仕事を続けたい」しかし会社の育児支援制度は、健常児の成育が基準となっており..._img0
放火後等デイサービスにて。小学2年になるころにはだいぶ慣れて、18時までニコニコで過ごせるようになりました。

—— ベビーシッター割引券は小6まで利用できることが確認できた一方で、そのころでも変わらず、時短勤務を利用できるのはお子さんが小3の年度末までだったのでしょうか?
 

 


はい。毎年労働組合の部屋を訪ねるものの、両立の見通しは立たないまま、娘は小学3年生になっていました。そのころは世の中に失望し、自暴自棄になって、娘を抱えてひとりで生きていくしかないと思い詰めていました。参加費を払うよりも、その分のお金を節約した方がいいと思い、労働組合も辞めていたのです。

ちょうどそのころ、職場の部長から「会社のワークライフバランス懇談会があるから、工藤さん行ってきたら」と声をかけていただきました。2016年秋のことでした。